ロッテ伊東監督謝罪 ナバーロ容疑者逮捕「野球人として残念」

[ 2016年2月23日 06:15 ]

ナバーロ容疑者逮捕について語る伊東監督

 また球界に衝撃!ロッテの新外国人、ヤマイコ・ナバーロ容疑者(28)が21日夜に那覇空港で拳銃の実弾1発をバッグに隠し持っていたとして銃刀法違反の疑いで逮捕されたことを受け、球団は22日、幹部らが対応に追われた。野球界に厳しい視線が注がれている中で起きた出来事だけに、伊東勤監督(53)は沈痛な面持ちで謝罪。球団は警察の事情聴取の結果を待って、出場停止などの処分を科す。

 突然の逮捕劇から一夜明け、チーム内には大きな動揺が広がった。宮崎市内の宿舎で報道陣に対応した伊東監督は沈痛な面持ちで口を開いた。

 「最近は野球界にいいニュースがない中で、こういう形で水を差してしまい申し訳ない。この国では禁止されていること。自分のチームのこととしてでなく、野球人として残念な気持ちです」

 昨年10月には巨人の3選手による野球賭博問題が発覚し、今月には清原和博容疑者が覚せい剤取締法違反容疑で逮捕されたばかり。厳しい目が注がれる中、球界全体としてコンプライアンスの周知徹底を打ち出していた矢先のことだった。

 逮捕時の状況も明らかになった。チームは沖縄・名護で日本ハムとのオープン戦を終え、那覇空港に移動。鹿児島行きの航空機は午後7時45分の出発予定時刻になっても飛び立たず、伊東監督は球団マネジャーからナバーロ容疑者が空港内で拘束されたことを聞いた。「いきなりのことでビックリした」と指揮官。約30分遅れで飛行機は離陸したが、通訳と球団職員が沖縄に残って対応に追われた。選手には宮崎市内に向かうバスの中で説明があったという。

 ナバーロ容疑者は素行不良の「過去」があった。大リーグのパイレーツ時代の12年には飲酒運転で摘発され、昨季まで所属していた韓国・サムスンでも遅刻癖が問題視されていた。ただ、選手としては昨季、韓国球界の外国人選手最多となる48本塁打を記録。ロッテでもオープン戦では2試合連続本塁打中だった。練習中に集中力を欠くような態度を見せることはあったが、伊東監督は「キャンプ中も問題はなかった」と話す。

 10年2月には、同じドミニカ共和国出身で中日のマキシモ・ネルソン投手が那覇空港で実弾1発を所持していたとして銃刀法違反で逮捕された。この時は球団から3カ月の出場停止処分が下された。ロッテもナバーロ容疑者に対して同様の処分を科すとみられ、開幕には間に合わないことは確実だ。

 巨人に移籍したクルーズの穴を埋める戦力として、4番候補だったナバーロ容疑者。立花打撃コーチは「開幕に間に合わないことも想定して準備しなければいけない」と話した。「ヒゲ怪人」の起こした逮捕劇。チームだけでなく、球界にも再び大きな影を落とすことになった。(重光 晋太郎)

 ▼熊崎勝彦コミッショナー 逮捕されたということは大変残念。捜査当局の判断、球団の対応などを踏まえ、事実関係を見極めた上で適切に対応したい。

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