二刀流のこだわり…栗山監督、大谷には“元祖”ルース誕生日に開幕投手通達

[ 2016年2月23日 05:45 ]

日本ハムの大谷

 2並びで二刀流を極めろ!日本ハムの栗山英樹監督(54)は22日、大谷翔平投手(21)を3月25日のロッテ戦(QVCマリン)で2年連続の開幕投手に起用すると発表した。「2月22日午後2時22分22秒」に宣言する演出。さらに本人に通達したのは、米アリゾナでキャンプを行っていた6日、「元祖二刀流」ベーブ・ルースの誕生日だったことを明かした。4年目の今季は「真の二刀流」としてチームを日本一に導いてほしいとの願いが込められている。

 名護球場の外野芝生で、栗山監督はその時を待った。「2016年、日本一へ向かってチームは進みます。開幕投手は大谷翔平でいきます」。04年の北海道移転後、07~11年のダルビッシュ(現レンジャーズ)以来2人目となる2年連続開幕投手が発表された。時計の針は2月22日午後2時22分22秒を指していた。

 二刀流にこだわった「2」並び。しかし、指揮官が本人に通達したのは、2週間以上前の特別な日だった。アリゾナでキャンプを行っていた6日、クラブハウスのGM室で直接伝えた。その日は、大リーグ歴代3位の通算714本塁打の記録を持ち、投手としても94勝を挙げた元ヤンキースの英雄ベーブ・ルースが生まれた日。栗山監督はその意図を説明した。

 「将来、米国に行くか、行かないのかは本人が決めることなので分からないが、両方で評価をされてほしい夢はある。一つになる時は自分で決めなさいと最初から言っているが、二つとも評価されなくては意味がない。でも、あいつはできることを証明してきた」

 昨年は、巨人・長嶋茂雄終身名誉監督の誕生日だった2月20日に開幕投手を発表した。そこには「長嶋さんのように球界を背負ってほしい」との思いが込められていた。その期待に応え、大谷は、投手としては、15勝5敗、防御率2・24で「3冠」を獲得した。一方で、打者としては打率・202、5本塁打と低迷。だからこそ、「打者としても飛躍を遂げろ」とのメッセージを込め、米国の地で元祖二刀流の誕生日をあえて選んだ。

 大谷自身も、このオフから打撃練習に多くの時間を割き、すり足打法に変更。ここまでの実戦では20打数8安打、打率・400の好成績を残している。2年目の14年に11勝&10本塁打で、1918年のルースしか記録していない同一シーズン2桁勝利&2桁本塁打を達成したが、2年ぶりの快挙へ、ここまでは投打とも順調に来ている。

 3月25日のロッテとの開幕戦に登板すると、2戦目は4月1日のソフトバンク戦(草薙)が濃厚だ。1934年の日米野球でルースが沢村栄治と伝説の名勝負を演じた舞台。栗山監督は「昨年のような中途半端な二刀流ではチームは機能しない。勝つための二刀流。草薙で試合があるのも縁を感じる」と笑った。

 チームは、この日は休日。大谷は球団を通じて「昨季開幕投手を任されてから、今年も目指してやらないといけないと思っていた。チームに勢いをつける意味でも重要な役割。しっかりと練習したい」とコメント。大きな期待を真っ正面からしっかりと受け止めた。(横市 勇)

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