OP戦とはいえ…由伸新監督 1勝記念ボールをポイッ「まあ別に」

[ 2016年2月21日 08:00 ]

<巨・D>オープン戦初勝利に長野(右)からウイニングボールを受け取る高橋監督

オープン戦 巨人2―0DeNA

(2月20日 沖縄セルラー)
 プロ野球のオープン戦は20日、沖縄県内で3試合を行い開幕。高橋由伸監督(40)率いる巨人は新戦力のギャレット・ジョーンズ外野手(34)の先制二塁打などでDeNAに2―0で競り勝ち、アレックス・ラミレス監督(41)との新人監督対決を制した。オープン戦は21日に4試合を行い、3月に入って本格化する。

 どうすべきか少し戸惑っていた。完封でのオープン戦白星発進。ウイニングボールを左手に握り一塁ベンチへ歩を進めた巨人・高橋監督だが、最後は右手でスタッフにポイと放り投げた。

 「一応、長野が持ってきましたけどね。まあ、別に。ハイ」。選手たちの計らいはうれしかったが、ボール自体には魅力は感じなかった。

 DeNA・ラミレス監督とのルーキー指揮官対決。同一リーグ相手とはいえ、まだ意識する段階ではない。「ちょっと痩せた?という話はしました。でも、お互い動くところもなかった。1試合でどうのこうのはないでしょう」。7回無死二塁も含めて、自身からのサインはなく、走者各自に盗塁の判断を任せる「グリーンライト」の指示と選手交代ぐらいだった。

 その中で明るい材料を手にした。4番の新外国人ギャレットだ。4回1死二塁から実戦9打席目の初安打となる右越え二塁打で先制点を叩き出すと、7回先頭でも左中間へ二塁打を放ち、3打数2安打。メジャー122本塁打の大砲は「芯にしっかり当たって右中間、左中間を意識することもできた」と振り返った。

 高橋監督は4番に求めるものを「チームの中心だから全て。長打も欲しいし、勝負強さも欲しい」と話す。昨季はリーグ最低のチーム打率・243。最大のテーマとする打線再生の根幹に関わる4番候補のお目覚めに「そういったところを期待していますからね。そうなってくれればいい」と口にした。

 オープン戦初陣には恩師と仲間も駆けつけた。慶大時代の監督でJR西日本総監督の後藤寿彦氏(62)と、大学時代の同期のエースで4月から慶大助監督に就任する林卓史氏(40)。その前で、就任以来「結果が全て」と一番こだわる勝利を手にした。

 それでも新指揮官は言った。「僕自身、去年まで選手としてそうだったけど、紅白戦とは違うけど、オープン戦も練習試合も大差はない」。ポケットにしまう大事な記念球はまだ先だ。 (春川 英樹)

 ▼巨人・阿部(6番・DHで今季初の実戦を迎え、2打数無安打。2回の中飛に)形はどうあれ、ちゃんとタイミングは取れていた。

 ≪G新監督OP戦初戦は7連勝≫巨人は完封でオープン戦開幕試合に勝利。60年以降、巨人の新監督のオープン戦初戦はこれで7連勝。完封発進は02年原監督以来14年ぶり5人目だ。過去4人のうち川上、藤田、原の各監督は公式戦で優勝したが、長嶋監督は最下位と明暗が分かれている。

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