左腕の松井裕 制球力アップの鍵は右手 指の曲げ方に変化

[ 2016年2月20日 08:15 ]

投球時の指の曲げ方が変わり、松井裕のグラブの形に変化が

 左投げの楽天・松井裕が神経を集中させているのは右手。それもグラブの中にある5本の指に、だ。今季は40セーブを目標とする左腕は「ずっと右手の動きを意識して投げてます。修正できれば、もっといい球が投げられる」と目を輝かせる。

 先発から抑えに転向した高卒2年目の昨季は球団記録の33セーブを挙げた。セーブ機会失敗がわずか1度で防御率も0・87。しかし、リリースポイントが一定せずに制球を崩す場面が何度かあった。理由は、わずかながら見られた「右肩の開き」。その部分の修正をオフの課題とした。今年1月に2年連続で合同自主トレを行ったヤンキースの田中や周囲のスタッフらと相談した結果、グラブをはめている右手の動きに原因があることを突き止めた。

 昨年までの松井裕は投球時にグラブをはめた右手を前に突き出した後、親指以外の4本の指を折り曲げて腕をたたんでいた。特に薬指や小指に力が入ると手首は時計回りに回転しやすく、それに連れて肘も回る。これが右肩の開きが少し早くなる原因で、「リリースポイントも不安定になった」という。1月の自主トレ、今月11日までの沖縄・久米島キャンプでも親指を含めた5本の指をバランスよく折り曲げることを意識。以前は右腕をたたんだ際にグラブはペチャッとつぶれていたが、現在はポケットに空間ができるほどバランスよく5本の指を折り曲げている。

 この日はブルペンに入り、直球を中心に66球を投げ込んだ。「もう開幕までのプランは頭に描いています」と表情は明るい。現状維持で満足はしない。誰にも負けない向上心が、20歳の守護神の強みだ。 (山田 忠範)

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2016年2月20日のニュース