“1度死んだ”ことで心身ともに解放されたDeNA・久保裕

[ 2016年2月20日 08:35 ]

11日のDeNA紅白戦に登板した久保裕

 とにかく明るい。例えば、沖縄・宜野湾キャンプでの練習の合間。DeNA・久保裕はグッズショップで帽子を探している老夫婦を見つけると、「こっちの方が雰囲気合ってますよ」「こっちの方が可愛いんじゃないですか?」と隣に寄り添う。もちろん初対面。老夫婦は感謝しきりだった。

 昨オフに巨人から戦力外通告を受け、DeNAに移籍した35歳。「新天地に馴染むには、年齢関係なく、ちょっかいをかけるのが一番。最大のターゲットは黒羽根だったんですけど、2軍落ちしたんで、新しい“おもちゃ”を探しているところです」。常にいろんなシチュエーションに絡んでくるベテラン右腕を見て、井納は「巨人って、そういう雰囲気のチームなんっスか?」と口をあんぐりさせていた。

 一方、本業ではここまでチームで唯一、“皆勤賞”でブルペン入りしている。「スピードはまだ上がってくる気配がないけど、フォームバランスがいいので順調」。18日にはブルペンで両打席にブルペン捕手を立たせて投げた。「空間を狭くして投げようかと。左打席にだけ立たせると、ボールが抜けることが多い。視界を狭めて、そこを通そうかというアイデア。集中力が高まって、いい感じ」。プロ14年目で初めての練習法だった。

 DeNAでは中継ぎとして期待される。「新しく野球をやる環境を与えてもらったので恩返しをするだけ。“投げろ”と言われれば、本当に何試合でも投げる。(巨人をクビになって)自分は1回死んでいる身。体が壊れたっていい」。くしくも、ラミレス監督も巨人からDeNAに移籍して通算2000安打を達成。NPBでの最後の在籍球団だった。(東山 貴実)

続きを表示

2016年2月20日のニュース