松坂、272日ぶり打者と対戦 城所ビビらせた「エグい」

[ 2016年2月17日 05:30 ]

怪物復活への第一歩だ!!フリー打撃に登板し272日ぶりに打者と対戦した松坂

 右肩手術からの復活を目指すソフトバンク・松坂大輔投手(35)が16日、キャンプ初の打撃投手を務め、昨年5月20日のウエスタン・リーグ、オリックス戦(高知)以来272日ぶりに打者と対戦した。調整しているB組(2、3軍)で城所ら2人を相手に計35球を投げ、安打性はわずか3本。3度の空振りも奪ってみせた。9年ぶりに国内復帰した昨季は登板なし。かつて怪物と呼ばれた男が開幕ローテーション入りに向け、復活への第一歩を踏み出した。

 18・44メートル先にはバットを持った打者がいる。この光景は実に272日ぶりだ。昨年8月に行った右肩手術を乗り越えて、背番号18が躍動した。

 「ブルペンとは違い、いいなと思いましたね。どの球種もストライクを取れたのが良かった」

 フリー打撃に初登板。打者2人に35球を投げ、安打性の打球は3本だけだった。直球、カーブ、スライダー、シュート、チェンジアップ、カットボールと5種類を投げてボール球は10球。制球に加え、切れも十分だ。この日は「7割くらい」と力を抑えたが、13年目のベテラン・城所から直球とスライダーで2度も空振りを奪った。球種を伝えるフリー打撃だが「スライダーはエグかった。真横に曲がる。(球種を)言われてもエグい」と城所。カーブでバットを折った釜元にはカットボールで空振りも奪った。

 「今までやってきたことは間違いではなかった」。これまでは掲げた左足を伸ばしたまま体重移動していたが、上体が反って体の開きが早かった。前日、佐藤投手コーチから左膝を少し曲げ、お尻から打者に向かうよう助言された。左足の着地が遅れ、ためができることで体の開きを抑えられる。松坂の目指すものと合致した。上半身の力に頼って投げていた昨季までとは別人のような下半身主導のフォームとなり「意識しました。少し(重心は)高かったけど、いいです」とニヤリ。フリー打撃後はブルペンに鍵をかけ、報道陣を締め出しての「密室ブルペン」で修正。新フォームを体に染み込ませた。

 城所、釜元の次には昨年11月に右肘手術を受けた影響によりB組で調整する柳田が控えていたが、予定の2人で終了。「ギータ(柳田)に投げたかったよ」と耳打ちし「あれだけの打者ですからね。(打席に)立ってくれると雰囲気も違う」。昨季、トリプルスリーを達成したスラッガーと戦いたい欲求は久しぶりに味わう「衝動」だった。

 「表情を見ても嫌な感じはないんだろうなというのは見て取れる。このまま、いい調整をしてくれればいい」と工藤監督。18日の第5クール初日には今後の実戦登板のスケジュールを話し合う予定だ。「もう少し、力を入れて投げてもよかったかなと思いましたね」と松坂。試運転は終わった。いよいよ本領発揮の時は近づいてきている。(福浦 健太郎)

 ▼西武・福島孝二スコアラー 変に肩を回したり、首をひねったりする姿はなかった。きょう見た感じでは良かったね。彼の場合、普通に投げさえすればいいんですよ。

 ▼オリックス・依田栄二チーフスコアラー 順調と言っていい。チェンジアップ、スライダー、カットボール。いろんなボールを投げていたけど、どの球種も投げられている。

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