黒田1軍合流!異例の優勝宣言 練習後には男気サイン会も

[ 2016年2月17日 05:30 ]

明るい表情で投内連係の練習をする黒田

 広島・黒田博樹投手(41)が16日、最終クールを迎えた日南1次キャンプへ合流。円陣では珍しく「優勝」の2文字を用いてナインに結束を呼びかけ、現役20年目となる復帰2年目への強い意気込みを示した。志願して9年ぶりに帰ってきた宮崎・日南。練習終了後は恩返しの意味を込めて即席の男気サイン会を開き、出迎えた大勢のファンを喜ばせた。

 宿舎から天福球場まで距離にして約1・5キロ。約25分をかけ、安仁屋臨時投手コーチとともに徒歩で球場入りした41歳を、日南のファンは拍手と歓声で出迎えた。

 「安仁屋さんに“一緒に行くか”と誘われたら、さすがに断りづらいので。疲れましたよ」

 柔和な表情。白い歯がのぞく。グラウンドに出ても顔なじみのナイン、首脳陣、スタッフとにこやかに握手を交わした。だが、練習前に組まれた円陣では真剣な面持ちに一変。今季に懸ける思いを力強い言葉に込めた。

 「きょうから合流しました。チームに貢献し、優勝できるよう頑張っていきましょう」

 メジャー在籍7年間を含め、頂点に立つ難しさを肌で知る黒田は「安易には言えない」として、“優勝”の2文字をめったに口にしない。昨春の沖縄では「40歳になり、先は長くないですけど、覚悟を持って皆さんと一緒に戦っていきます」とあいさつ。異例の行動に意気込みがにじみ出ていた。

 合流初日。練習は軽めのメニューに終始した。自宅があり、自主トレを行ってきた米国ロサンゼルスに比べると、気温が低い宮崎。「まだ肌寒いし、あまり無理することもないので」。ブルペンには入らず、キャッチボールや守備、けん制練習などに汗を流した。

 終了後には男気あふれる行動に出た。球場玄関前に机を置き、即席のサイン会を開催。長蛇の列をつくったファンに約40分間、300枚の色紙に丁寧にペンを走らせた。「お世話になった人に顔を見せたい」。志願して帰ってきた9年ぶりの日南。そこには恩返しの思いが込められていた。

 「野手を含めて(選手)一人一人が去年以上の成績を残す気持ちで戦えば、必ずいい方向に行くと思います」

 25年ぶりのリーグ制覇を誓う復帰2年目。自身は残り7勝の日米通算200勝を見据える春。「そこを目標にやるのではなく、1年間しっかり投げ、成績を残していく中でクリアできれば」。個人記録よりもあくまでV。自身の土台を築いた思い出の地で、20年目の球春がスタートした。(江尾 卓也)

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