オコエ 汚名返上打!対外試合初タイムリー「よい感じに反応できた」

[ 2016年2月17日 05:30 ]

8回2死二・三塁、オコエは中前に2点適時打を放つ

練習試合 楽天5―12阪神

(2月16日 宜野座)
 楽天のドラフト1位・オコエ瑠偉外野手(18=関東第一)が16日、沖縄・宜野座で行われた阪神との練習試合に「7番・中堅」で先発出場。無安打で迎えた8回に2死二、三塁から中前に対外試合“プロ初タイムリー”となる2点打を放った。7回の打席では緩慢な走塁でアウトになったが、バットで取り返した。ここまでの実戦では3試合連続で安打をマークし、打率・300、5打点。目標の開幕1軍に向け、猛アピールは続く。

 最後にしっかりと結果を残すのが、この男の凄さだ。空振り三振、見逃し三振、捕ゴロ…。過去3打席は全くいいところがなかった。それでも、オコエは4打席目の8回2死二、三塁で2点適時打を放った。岩崎の初球、チェンジアップを振り抜き、詰まりながらも中前に運んでみせた。

 「初球から振っていこうと考えていた。それまでストレートで差されていた中、変化球に良い感じに反応できた」

 対外試合で“プロ初タイムリー”を放った18歳だが、笑顔はなかった。喜びよりも反省が上回った。7回1死走者なしで小フライを捕手・梅野がフェアグラウンドで落球。ところが、一塁へ走りだすのが遅れ、アウトになった。「どこにボールが飛んだか分からず、気付いたらフェアで…。反省です」とうつむいた。梨田監督も「ベンチから、“走れ”の声があった。走っていたらセーフだったかも」と苦言を呈した。

 猛省したオコエはバットで汚名返上。打撃では確かな手応えをつかみつつある。プロで初めての実戦となった7日の紅白戦で安楽に見逃し三振。この日は2三振を喫したが「安楽さんに三振した時に比べて、ボールが見えるようになっている。紅白戦よりは良くなっているという実感はあるし、三振した場面もボールがきちんと見えていた」と振り返った。

 中堅守備でも非凡な才能を見せつけた。8回1死二塁。上本の打球が頭上を襲うと、背走しながら一瞬だけ前を向き、捕球するそぶりを見せた。「前進守備から後ろに走ったので、ランナーの状況が分からなかった。フェイクがてら確認した」と高卒新人らしからぬ冷静なプレー。結果的に三塁打となって二塁走者の生還を許したものの、梨田監督もこのプレーには「(フェイクを)やる余裕があるし、野球を分かっている」と称賛した。

 オコエにとって初めて戦った日本のプロ球団。「(投手の球の)切れとか高校と比べものにならないし、クイックモーションも速い」と驚いていたが、日進月歩で成長を続ける18歳は学んだ全てを吸収する力がある。(徳原 麗奈)

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