金本監督 ゴメスも走れ!まず再減量、“次の塁狙う意欲”絶賛

[ 2016年2月14日 06:00 ]

恒例のリレー競争で横田(左)を押しのけ激走するゴメス

 G砲にも、GOサイン!?阪神の金本知憲監督(47)が沖縄・宜野座キャンプ第3クール3日目の13日、マウロ・ゴメス内野手(31)の走塁に対する姿勢を高く評価した上で、シーズン中に盗塁のサインを出す可能性も示唆した。そのためというわけではないが、再び太りはじめた主砲に対し、ダイエット指令第2弾を発令していたことも明らかになった。

 午前中の盗塁練習、そして午後の大運動会のリレー。指揮官は、ひそかに目を光らせていた。その視界にとらえていたのは、俊足が武器の若手ではない。なんと、ゴメスだ。

 「走力というよりも、ゴメスの次の塁を狙う意欲。それは評論家時代から注目していた。それも本人に言って、『そういう姿勢がすごく好きだった』とね。本人も『走塁にすごく興味がある』ということだった。(盗塁練習でもいい動きを、の問いに)そうやね。リレーの時もキレイなフォームで走っていたからね」

 盗塁練習では前のめりになりすぎたのか、榎田のけん制に飛び出し、その後の二盗企図も梅野の強肩の前にアウトになった。だが結果よりも、果敢に次の塁を狙う姿勢を指揮官は評価。メッセンジャーやマテオが出場しなかったリレーに、積極的に初出場する心意気も心地よかった。だから、思わぬ青写真を描くこともできるというわけだ。

 「(盗塁させるかどうかは戦略なので)今、言うことではないけど『隙あらば』ということをやっていきたいと思っているけどね」

 秘策中の秘策と言ってもいいだろう。過去2シーズン、出場286試合でわずか1盗塁のG砲に対し、盗塁を指示する可能性も示唆した。それくらい、走塁に対する姿勢とフォームを評価しているということだ。シーズンで実行に移し、成功となれば、14年7月8日の広島戦(甲子園)で二盗を決めて以来の盗塁となる。そのためにも…というわけではないが、この日までに、ダイエット指令第2弾を発令していたことも明らかになった。

 「せっかくダイエットしてきたのに、日本の食事がおいしいから、ちょっと太りつつある。本人も絞りたいと言っていたから、そこはうまいことハッパをかけてあげられればとは思っています」

 指揮官は昨秋の個人面談で当時125キロだったG砲に減量を指令。その要求に応じ、6キロ減の119キロに体重を落として来日した。だが、おいしい日本食に箸が進んでしまい、現在は再び120キロ超えは確実…。このままのペースでは、元に戻ってしまう。そこで指揮官は炭水化物の摂取量を減らす減量法を指令して、目標は110キロに設定した。

 減量の主目的は、体の切れを出すこと。ただプラスアルファとして、より動きが軽快となることで、盗塁成功の可能性も高くなる。金本阪神の4番は、「走れるゴメス」だ。 (惟任 貴信)

 ▽ゴメスの盗塁 通算2度の企図で成功1、失敗1。14年7月8日広島戦(甲子園)同点の3回2死一塁、マートンの打席で大瀬良から来日初の二盗に成功(捕手・倉)。その後、福留の中前適時打で二塁から勝ち越しのホームを踏んだ。15年3月31日のヤクルト戦(神宮)でも初回1死一塁、福留空振り三振の間に二盗を企図しているが、こちらは失敗。

 ≪バースは6年間で5盗塁≫昨季公式戦で盗塁を記録した体重110キロ以上の選手は、ペーニャ(楽、118キロ)とエルドレッド(広、122キロ)。ともに1盗塁でペーニャは3度、エルドレッドは2度の盗塁死があり、成功率は高くなかった。ちなみに阪神の“最強助っ人”バースは公称95キロ。走れるイメージはないが、在籍6年間で5盗塁している。このほか、シーズン55本塁打のプロ野球記録(当時)に並んだタフィー・ローズ(近鉄ほか)は通算87盗塁、アレックス・カブレラ(西武ほか)は同14盗塁、13年に60本塁打を放った現記録保持者のバレンティン(ヤ)は同6盗塁で、この3人はいずれも公称100キロ。

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