監督にシュートは…阪神・岩貞 強気13球 お褒めの言葉「怖かった」

[ 2016年2月13日 07:50 ]

ブルペンで力投する岩貞

 アニキに挑んだ“ケンカ投法”で、復調のきっかけをつかんだ。3年目の岩貞がブルペン入りし、打席に立った金本監督に対して臆することなく、内角をえぐるシュートを投じて見せた。

 「きょうは全部クイックで投げた。ランナーを背負った場面で内野ゴロを打たせたい。真っすぐ、シュート、チェンジアップしか投げていない。シュートを投げるタイミングで(監督が打席に入って内角に)いかざるを得なかったんで…」

 68球を投げ終えたところで、おもむろにノックバットを手にした指揮官が左打席に入った。前日11日の紅白戦では走者を背負った場面で連打を許すなど2失点。浮き彫りになった課題の克服に励んでいたところで、想定外の対決が始まった。

 3球目には内角高めのシュートを投げて指揮官をのけぞらせ、にらみを利かされる場面もあった。強気に13球を投じ「それ(監督への意識)以上に紅白戦でできなかったことをやっていかないとという意識があった。球を見てもらったのはアピールになるか分からないですけど」と話しながらも、充実の表情だった。

 期待をかける左腕の球筋をその目で確かめた金本監督も「(打席に立ったのは)良くなったという話を聞いたから、自分の打者感覚で見てみたかった。良かったと思う、すごい。シュート3球くらい、要求して投げてきた。よけんぞと思って立っていたけど怖かった」と笑いながらも、確かな収穫を感じとったようすだ。

 第2クールのシート打撃で好投し、一気に開幕ローテーション候補まで評価は急上昇。結果の出なかった紅白戦後も、合同自主トレした能見から「打者に投げられただけで良いんじゃないか」と励まされた。

 金本監督にとって初の対外試合となる16日楽天戦(宜野座)の先発にも内定している。「金本監督の(対外試合)1戦目よりも、自分の1戦目の気持ちが強い。何としても結果を残したい」。将との“真剣勝負”で手にした自信を胸に、快投を狙う。(遠藤 礼)

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