ロッテから移籍の巨人クルーズが見せた神技 文章にするのは…

[ 2016年2月13日 08:00 ]

坂本(左)と話すクルーズ

 神技を見つけた。だが、言葉にできずに悩んでいる。このコラムを書き始めてはいるが、うまく表現できるか少々、自信がない。それだけ、難しい神業だと理解いただければいいのだが…。

 巨人宮崎キャンプの第1クール中。まだ練習メニューは軽めだった。野手が何班かに分かれて受けていたノック。ノックを受ける場所を交代する時、内野から外野へと歩いて行った、ある選手の技に驚いた。「ユーチューブで見たことがあって、やってもらったんです。あれは難しいですね…」とリクエストしたのは坂本だった。そして、その神業を見せたのはロッテから移籍してきたクルーズ。簡単に言えば「ボールを捕ってから利き手に持ち替える」動作だが、初めて見る技だった。

 うまく伝わるか分からないが、説明してみよう。正面から向かってくるボールに対して胸よりやや上、顔ほどの高さで腕を前方へ伸ばした状態でグラブを出す。その際、グラブをはめていない側の手を、グラブをしている腕の下方でクロスさせて、手をグラブの横付近に来るように構える(利き腕が右腕の場合は、顔の前に左手のグラブ、グラブをした左腕の下で右手をクロスさせて、右手が自分から見てグラブの左側に添えられるような構え)。

 その状態から、ボールをグラブの土手(ポケットではなく、手首に近い部分)に当て、クロスさせていた右手を右方向に動かしながらグラブの下でボールを右手に持ち替えて、そのままセーフのジェスチャーをするように両手を大きく開く。という技だ。

 難しいのはグラブの土手でボールを当てる際のグラブの角度と、そこで一瞬、止まるボールを逆シングルのようなイメージで右手でしっかりつかむこと。クルーズは「手が大きいからできるんだよ」と簡単そうに話した。その時は片岡が器用に1発で成功させたが、村田、坂本はなかなかできず首をひねった。

 キャンプは、意外なプロの技を見つけることができる、貴重な期間でもある。そして、文章にする難しさを再認識する期間でもある。(記者コラム・春川 英樹)

続きを表示

2016年2月13日のニュース