ソフトB中村晃「迷いなく振れている」すり足で“チーム1号”

[ 2016年2月12日 09:39 ]

シート打撃でチーム初本塁打を放った中村晃

 今年は飛びが違う。ソフトバンクの中村晃外野手(26)が11日、A組で今キャンプ初めて行われたシート打撃で、二保旭投手(25)から右中間芝生席に“チーム1号”を放った。昨季までの右足を上げるフォームからすり足に変えたが、新たな打撃フォームがしっくりきている様子。今季は4年連続の打率3割だけでなく自身初の2桁本塁打も狙う。

 あっという間に右中間芝生席に吸い込まれた。A組では今キャンプ初のシート打撃。中村晃は第1打席でいきなり二保の直球を完璧に捉え“チーム1号”を放った。

 「そんなに飛んでいると思わなかった。ボールが飛び過ぎるからですよ」と謙遜したが、7日のフリー打撃では岩崎から、9日は森からも柵越えを放っている。李大浩(イ・デホ)がチームを去り、B組で調整中の柳田、へんとう炎の影響で別メニュー調整の内川が不在の中、存在感が光った。

 自主トレから順調な調整を重ねている。「去年の今ごろと比べると迷いなく振れている。去年は力がバットにしっかり伝わっていなかった」。昨季まで打席で右足を上げてタイミングを取っていたが、自分のミートポイントに球を呼び込むために、このオフからすり足に変えた。藤井打撃コーチは「すり足にしてからボールをうまく呼び込めている。いいタイミングで打てているよ」と打撃の状態に太鼓判を押した。

 「ホームランを打てれば相手の脅威になる」。1月の自主トレ期間中には、本塁打王のタイトルを6度獲得した西武・中村モデルのバットを発注。新たな可能性を模索していた。結局、昨季まで使っていたモデルに落ち着いているが、打撃を極めるための労力は惜しまない。現在取り組んでいるすり足打法についても「今は、これでしっくりきている」と手応えを口にした。

 バックネット裏で見ていたオリックス・依田栄二チーフスコアラーも、その成長ぶりに警戒感を強めた。「ライナー性の当たりで入っていたからね。3割を残すバッターに長打が加わればイヤだよ」。もともと1、2番から6、7番までどんな打順にも対応できる“ユーティリティープレーヤー”。長打力を身につけることで、相手チームにとってはさらに厄介な存在となるに違いない。

 今季は4年連続の打率3割は当然の目標だが「3割だけでは物足りなさも感じてきたし、長打もある相手に嫌がられるような打者になりたい」という。これまでとは違う新たな打撃スタイルに注目だ。(田中 貴久)

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2016年2月12日のニュース