巨人ドラ7中川、メジャー122発助っ人斬り 安打性の当たりゼロ

[ 2016年2月9日 06:30 ]

フリー打撃に初登板した中川は新外国人2人を抑え込んでアピール

 外角低めに投げ込んだ直球にスライダーの逃げる軌道が加わった。いわゆる「真っスラ」だ。巨人のドラフト7位左腕・中川(東海大)がフリー打撃に初登板。最後の1球で左打者のギャレットから空振りを奪った。

 「パワーのある外国人なので制球ミスはできない。きょうは真っすぐでいこうと決めていた」。高橋監督が見守る中、新外国人のギャレットとクルーズ相手に44球を投じた。変化球はツーシームを1球投げただけで、43球が「真っすぐだけどナチュラルに変化する」という直球。メジャー通算122本塁打を誇るギャレットには全て直球でバットの芯を外した。安打性の当たりを1本も許さず「直球がカットしていた。いい角度で低めに投げてくる」と驚かせた。安打性は右打者のクルーズのわずか3本だった。

 一般的な投手の直球よりも、外側に手首をやや傾ける癖が最速145キロの「魔球」を生む。ドラフト下位指名。背番号も91だが、左投手の底上げが急務というチーム事情で1軍キャンプに抜てきされた「秘密兵器」だ。3日には阿部とブルペンで初めて組み「クセ球だが変える必要はない」と「真っスラ」に太鼓判を押された。テークバックの大きいフォームは視察に訪れた中日・加藤光教スコアラーから「岩瀬さんがダブって見えた」と評された。首脳陣は今キャンプ中に先発、救援の適性を見極める意向だ。

 学生時代に国際大会出場経験がない21歳左腕にとって、外国人打者と対戦したのはこの日が初めてだった。「凄く新鮮で、プロの世界に入ったという感じがした」。海外旅行にも行ったことがなく、卒業旅行の準備をする同級生をうらやましくも思うという。「景色がきれいなハワイとかに行きたいですね」と笑った。その夢は、優勝旅行でかなえればいい。(神田 佑)

 ▼巨人・クルーズ 制球が良かった。(直球が)内角に食い込んでくる。右打者は打ちにくい。

 ▼阪神・太田貴スコアラー 真っすぐが良かった。切れもある。速く見えた。

 ▼ヤクルト・片岡大蔵スコアラー次長 力感はないが、手元でピュッと伸びる。真っスラするし、右打者は嫌だと思う。教えてできるものではない。面白い。

 ▼広島・吉年滝徳スコアラー 芯を外される。泳がされる。詰まらされる。嫌だなという印象。実戦向きだと思う。

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