親友も裏切った…清原容疑者を信じていた佐々木氏「ぶん殴ってやりたい」

[ 2016年2月4日 08:28 ]

12年にCMで初共演し握手を交わす桑田氏(左)と清原容疑者

 裏切られた――。清原和博容疑者(48)が逮捕されたことを受けて3日、球春を迎えたばかりの球界に大きな衝撃が走った。PL学園で「KKコンビ」として一世を風靡(ふうび)し、巨人、パイレーツでプレーした桑田真澄氏(47)、同学年の盟友である元横浜・佐々木主浩氏(47)もショックを隠せず、覚せい剤に手を出すという愚かな行為にやり場のない思いを吐露した。昨年11月には巨人の3選手が絡む野球賭博問題があったばかり。球界は再び大きなスキャンダルに見舞われた。

 桑田氏は清原容疑者のことを常に「キヨ」と呼んでいた。「報道で知り、とにかく驚いています」。そう話した桑田氏は「最近は連絡を取っていませんでしたが、もし報道通りなら、野球人として、一緒に戦ってきた仲間として、非常に残念でなりません」と続けた。

 「KKコンビ」。球史にその名を刻んだ2人だった。PL学園では83~85年に5季連続で甲子園に出場し、優勝2度、準優勝2度。桑田氏は甲子園通算で20勝を挙げ、一方の清原容疑者は13本塁打を放った。85年のドラフト会議。桑田氏が巨人から1位指名され、巨人入団を熱望していた清原容疑者は涙を流した。それでも97~05年には一緒に巨人でプレー。KKコンビが復活した。出会いから30年以上。紆余(うよ)曲折はあったが、桑田氏はかねて「僕の中ではキヨは本当に大事な男」と話していた。それだけに、ショックは大きかったに違いない。

 桑田氏と同様に清原容疑者と同学年で、親交の深かった佐々木氏も驚きを隠せなかった。「2年前に一緒に食事をした時は“(薬物を)やってない”と言っていた」。しかし、それはうそだったのか。「残念というか、裏切られた気持ちで悲しい」と、やり切れない胸の内を吐露した。

 05年8月9日、佐々木氏の現役最後の登板。最後の打者として対戦し、大粒の涙を流しながら空振り三振に倒れたのが清原容疑者だった。薬物疑惑の渦中にあった14年12月2日、清原容疑者が約10カ月ぶりに公の場に姿を現したのは、佐々木氏の殿堂入りパーティーだった。1月11日には名球会のイベントで「再戦」したばかり。親友と呼べる間柄だった。

 09年の第2回WBC。米国からのテレビ中継でともに解説者を務めたが、仕事に真摯(しんし)な姿勢で臨まなかった清原容疑者を、佐々木氏は厳しく説教したこともあったという。それなのに…。佐々木氏はテレビ番組の取材に「ぶん殴ってやりたい」と、怒りにも似たやり場のない感情を口にした。球界の一時代を築いた戦友が、あろうことか覚せい剤に手を染めていた。そして、逮捕された。怒り、悲しみ、落胆…。その衝撃の大きさは計り知れない。

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