捕手どうする?西武・炭谷の新ルール対策「足の位置 動かし方」

[ 2016年2月3日 11:17 ]

今年の本塁クロスプレーはホームベースの前に立ち、左膝を引きながら追いタッチする形だと説明する炭谷

 西武のキャンプ2日目の投内連係で、正捕手・炭谷は何度も同じ動きを繰り返していた。本塁への返球を受けると、ミットをはめた左腕を体の左側後方へと大きく伸ばしてタッチする動作だ。本塁での危険な衝突を回避するため、今季から適用される「コリジョン(衝突)ルール」への対策に乗り出した。

 新ルールでは、捕手が走者の走路をふさいだりブロックすることが禁止され、クロスプレーの際には今までとは全く違う動きを求められるという。炭谷は「足の位置と動かし方を変えなければいけない」と説明する。

 「足の位置」とは、本塁への返球を待つ位置だ。これまでは本塁の真上で返球を待っていたが、これは「走塁妨害」とみなされる。「極端に言えば、ホームベースの右上(一塁寄りの)の角の前に立って待つイメージ」。距離にして30~40センチの距離だが「タッチの差」を争うだけに、決して小さいとは言えない。

 「足の動かし方」は、捕球後の動きだ。これまでは捕球後は左膝を着いた状態でブロックし、本塁を守っていた。だが、今後は「本塁から(一塁寄りに)離れて返球を待っているので、左足を後ろに下げながら体を回転してタッチできる体勢に入らなければいけない」と解説する。

 この日、田辺監督とコーチ陣は審判団から新ルールについて説明を受けた。田口バッテリーコーチは「第2クールから新ルールに対応する練習を本格的に取り入れていく」と説明。捕手にとっては、体でブロックできない分、肩の脱臼や腕の裂傷といった新たなリスクも伴う。クロスプレーは1点を懸けた命懸けの攻防。炭谷は、キャンプで新たな動きを体に覚え込ませていく。 (重光 晋太郎)

 ▽コリジョン(衝突)ルール 運用指針は(1)走者の捕手への体当たり禁止(2)捕手のブロックや走路をふさぐことの禁止(3)送球がそれた場合にやむを得ず捕手が走路内に入ることは許されるが、激しい接触を避ける努力をする(4)球審が悪質で危険な衝突と判断した場合は当該選手に警告を与えるか、退場処分とする――というもの。審判員が必要と認めた場合はリプレー映像による検証を行う。大リーグでは14年から試験的に導入し、昨年から本格導入。日本では昨年10月の宮崎フェニックス・リーグで試験導入していた。

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