松坂“プロ最速”ブルペン 本人満足「肩の不安なくなった」

[ 2016年2月2日 06:30 ]

ブルペンで投げ込む松坂

 完全復活を目指す怪物が、いきなりブルペンに入った。B組(2、3軍)スタートとなったソフトバンク・松坂は、50メートルの遠投で肩を慣らしてからマウンドへ上がると、まずは捕手を立たせて10球。続いて、座らせて50球を投じた。

 「初日にしては良かった。気温が低いし、気をつけて投げた。バランス、タイミング、フォームを考えました」

 ソフトバンク入団1年目の昨年も2月1日に報道陣をシャットアウトしてブルペン入りしたが、全て捕手を立たせた状態だった。西武時代には1度だけ06年に初日に捕手を座らせたことがあるが、これはWBCが3月3日に開幕するための前倒し調整。つまり、事実上のプロ最速ブルペンだ。

 昨年は一度も登板することなく、8月に右肩を手術。現在も2日連続のブルペン入りは禁止されているが、順調な調整ぶりは見て取れる。右肩痛を抱えていた昨季は体の捻転の強さを生かした投げ方になり、腕も横振り。そのため、佐藤投手コーチが背後に立って、体の開きを矯正する場面も見られた。だが、この日はしっかりと左足を踏み込み、リリースポイントは以前より明らかに前になった。「肩の不安がなくなったことが大きい」と松坂。視察した工藤監督も「不安がないことが一番」と安心した様子だった。

 何より、目立ったのは笑顔だ。12分間で2800メートル以上を走る持久走では「松坂世代」の和田と一緒。2600メートルのノルマには到達できなかったことについて「毅(和田)に裏切られた。同盟つくっていたのに…」と2650メートルだった左腕をちらりと見て、おどけた。帰りのバスに乗り込む際は「いい1日目でした!」と再び笑った背番号18。常に不安そうな表情を浮かべていた1年前とは全てが違った。(福浦 健太郎)

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2016年2月2日のニュース