由伸監督の力に!松井氏、貧打“一新”へ最強タッグ

[ 2016年2月1日 08:10 ]

全体ミーティングを終え、引き揚げる松井氏

 最強タッグがV奪回へ導く。プロ野球12球団は1日に国内外でキャンプイン。巨人は31日、高橋由伸新監督(40)らが1次キャンプを行う宮崎入りした。宿舎ホテルで開かれた全体ミーティングには臨時コーチを務める松井秀喜氏(41)も参加。高橋新監督は実力主義のサバイバル競争を明言し、松井氏は全力サポートを約束した。現役時代、巨人の屋台骨を背負った2人が手を合わせ、新生・巨人をつくり上げる。

 戸惑ったような顔を浮かべていた。早朝の羽田空港。宮崎便の搭乗口に向かう高橋監督はエスカレーターに乗ってこう漏らした。「やっぱり緊張感があるよ。選手の時とは違った緊張感があるよね」。新指揮官の偽らざる心持ちだったが、V奪還へ動き出すチームには厳しい要求を突きつけた。

 「オープン戦でチャンスを与えるためには、オープン戦までの練習でアピールしてもらわないといけない」

 超実力至上主義のサバイバルキャンプのスタート。若手に一定期間はチャンスを与えるが、期待値だけでの起用はしないつもりだ。夕刻に2軍宿舎ホテルで行われた全体ミーティングでも「誰がレギュラーにふさわしいかしっかり見極めて勝ちに近づく野球をする。高い意識を持って臨んでほしい」と訓示した。監督業は「初心者」と話しながら厳しい姿勢を打ち出せたのは、心強い援軍の存在もあった。新指揮官の全力サポートを買って出たのが、松井臨時コーチだった。

 松井氏は「“一新”という(チームスローガンの)中で新しいスタートを切る中で、少しでもお手伝いできたら」と全体ミーティングで話し、さらに続けた。「ジャイアンツの置かれている立場は非常に厳しいものがあると僕も理解しております」としたうえで「去年は特に打てなかったと聞いております。技術的な部分、精神的な部分、そしてピッチャーに対する対策など、いろいろと私の経験を皆さんに伝えていけたら」と全力サポートを約束。打撃だけではない。「バッターは何が嫌なのか」など打者の立場からバッテリーにも積極的に助言する方針だ。

 V奪回へ向けて、昨季チーム打率リーグ最下位だった打線の強化は最重要課題の一つ。高橋監督は1月15日のスタッフ会議で「打率・260~265」「1試合平均得点4点前後」と具体的な目標を設定した。そのためには戦力の底上げが不可欠。宮崎キャンプ最終クールの11~14日に紅白戦を3試合行うが、高橋監督は14日まで滞在する松井氏に若手に競争意識を植え付けることも期待している。

 「松井さんには誰をどうとかではなく、できる限り全員に何か声をかけてほしい。何かいい刺激になって、きっかけを与えてくれたら」。両雄があうんの呼吸で導く宮崎キャンプがスタートする。 (春川 英樹)

 ≪3年連続訪問≫松井氏の巨人宮崎キャンプ訪問は3年連続となる。14年は臨時コーチとして1月31日に宮崎入りし、2月1日の初日から全13日間参加。連日打撃投手を務めると、フリー打撃の実演も見せた。22スイングで135メートル弾を含む5本の柵越えを放ち「お手本」となった。15年は2月3、4日にOBとしてスーツ姿で訪問。2軍キャンプ地にも足を運び、新人だった岡本に熱視線を送った。

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