大谷、藤浪、松井級のブレイクも?16年に飛躍期待の若手投手

[ 2016年1月31日 09:48 ]

今季飛躍が期待される(左から)DeNAの砂田、西武の高橋光、巨人の田口

 大谷翔平(日本ハム)、藤浪晋太郎(阪神)、松井裕樹(楽天)といった若手投手が大いに躍動した2015年。これらの投手たちに続けとばかりに、新たなるスター候補の投手たちが爪を磨いで2016年のシーズンに臨もうとしている。その中から3人の投手にスポットを当てよう。

◎高橋光成(西武・2年目)

 前橋育英2年時に、エースとして夏の甲子園優勝に導いた。その実績と安定した投球を買われて、高校日本代表にも2年時、3年時と2年連続で選出。2014年秋のドラフト会議では西武が単独で1位指名する。

 春季キャンプは2軍スタートとなったが、プロ初の対外試合登板となった2月18日の阪神との練習試合では自己最速の152キロを記録。安定感が光った高校時とは違った一面を見せ、1回無失点と幸先のよいスタートを切った。開幕後はイースタンリーグで先発ローテーションに入り、経験を積んでいく。

 すると1軍に抜擢され、8月2日、本拠地・西武プリンスドームで行われたソフトバンク戦でプロ初先発。実は7月28日に2軍で先発してから中4日での登板だった。この試合は3回でマウンドを降り、敗戦投手となってしまった。しかし、ここから高橋光成の快進撃が始まる。9日のオリックス戦でプロ初白星を挙げると、23日のロッテ戦では初めての完封勝利。さらに31日の楽天戦にも勝利し、西武では1999年の松坂大輔(現ソフトバンク)以来となる高卒ルーキーの月間4勝を記録。この活躍が認められ、なんと8月のパ・リーグ月間MVPを受賞した。

 西武は先発投手候補の頭数が多く、競争は激しいものの、先発ローテーションを勝ち取り、2ケタ勝利が大いに期待される。

◎田口麗斗(巨人・3年目)

 田口が名を上げたのは、広島新庄3年夏の広島大会。「奪三振マシーン」の評判通り、決勝戦にコマを進めると、相手も評判高い好投手・山岡泰輔(現東京ガス)を擁する瀬戸内が勝ち上がってきた。試合は期待通りの投手戦が繰り広げられ、延長15回を投げ合い、引き分けに。1日休養日を挟んだ再試合で敗れ、惜しくも甲子園出場はならなかった。しかし、その実力が評価されてAAAアジア野球選手権の日本代表に選出される。桐光学園・松井裕樹(現楽天)と双璧の高校生左腕として注目を集め、2013年秋のドラフト会議では巨人からドラフト3位指名を受ける。

 プロ1年目の2014年はイースタンリーグで7試合に登板し2勝0敗と、まずまずの投球を見せる。すると2年目の2015年4月11日のヤクルト戦でプロ初先発し、7回1失点でプロ初勝利を挙げた。また、この試合では7回に勝ち越し打を放ち、自ら勝利に花を添えている。続く先発となった19日は高校時代に行けなかった甲子園での登板。6回途中まで2失点と試合を作るものの、初黒星を喫した。打線の援護に恵まれなかった試合もあって3勝5敗と負け越したが、オフの契約更改では年俸630万円から約3倍となる1800万円の大幅アップとなった。

 2015年の巨人は杉内俊哉、内海哲也と先発左腕が軒並み不調に終わり、年齢的にも大きな上積みは考えにくいだけに、新たな先発左腕として田口が名乗りを挙げたいところだ。

◎砂田毅樹(DeNA・3年目)

 北海道で育ち、高校は秋田の明桜に進学。高校時代は目立った結果を残せなかったものの高い将来性を買われ、2013年のドラフト会議でDeNAから育成1位で指名される。プロ2年目の春季キャンプでの紅白戦で1軍選手相手に2回無失点と好投。この力投が中畑清前監督の目に止まる。そして6月7日、支配下登録され、背番号が111から68に変更となった。

 連敗に苦しむチーム状況の中、6月14日の日本ハム戦で先発に抜擢され、地元・札幌ドームでプロ初登板を果たす。4回途中までノーヒットに抑える好投を見せるが、6回にピンチを作り、降板。後続の投手が逆転を許したために、負け投手となってしまった。それでも、まだ10代とは思えない緩急を使った投球と図太い精神力は首脳陣の評価が高く、先発左腕不足というチーム事情もあって、先発ローテーションの一角に加わる。7月8日の広島戦でプロ初勝利を挙げると、好投を続け、シーズン最後までローテーションを守り抜いた。

 2016年は左腕投手の代名詞である背番号47への変更が決まり、さらなるシンデレラストーリーに期待が集まる。(『週刊野球太郎』編集部)

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