マエケン マーとの投げ合い熱望「向こうもそう言ってくれた」

[ 2016年1月23日 05:30 ]

キャッチボールを行う前田

 広島からポスティングシステムでドジャースに移籍した前田健太投手(27)が22日、広島市のマツダスタジアムに隣接する室内練習場で自主トレーニングを公開した。前田は同学年で、同日にコボスタ宮城の室内練習場で自主トレを公開したヤンキースの田中将大投手(27)と移籍決定後に行ったメールでの交流を披露。9月12~14日に両軍が対戦するインターリーグ(交流戦)で、日本の公式戦で一度も実現しなかった田中との投げ合いを熱望した。

 前田は憧れだったメジャーのマウンドの先に、夢の対決を思い描いていた。同じ88年生まれ、関西出身の田中。中学時代から意識し、切磋琢磨(せっさたくま)してきた右腕同士が、ベースボールの総本山ヤンキースタジアムで先発として投げ合う。

 前田 (田中とは)いろいろメールのやりとりをしました。やはり対戦を楽しみに、対戦したいなという話をしました。向こうもそう言ってくれた。投げ合ったことは一度もないので。投げ合いたいなと思います。

 田中 毎年そのチームと試合があるわけではないので、日本より可能性は少ない。そういう機会があればいいと思う。

 13年2月にWBC前の侍ジャパン合宿での広島戦、同年7月の球宴と2度先発し合ったことはあるが、公式戦での投げ合いは過去一度もない。今季は優勝争いの佳境となる9月12~14日、ド軍とヤ軍の3連戦がニューヨークである。田中の指摘通り、球団数の多いメジャーの交流戦は、ヤンキースとメッツなど特定のライバル球団を除き対戦は3年に1度。両軍の対戦は97年の交流戦導入以降、04、10、13年の計10試合(5勝5敗)しかなく、投げ合うチャンスは決して多くない。

 もっとも、投げ合いを実現させる前に前田が超えるべき現実は山ほどある。「今は1年目だし、気持ちはルーキー。先のことというより、目の前の一つ一つを大事にしないといけない」と浮ついたところはない。この日は広島の大瀬良らと約2時間のトレーニング。メジャー球でのキャッチボールやノック、体幹強化などで汗を流した。「12月は時間が取れなかったが、1月からは順調。100%の状態でキャンプ(2月20日から)に入りたい」。今月31日までは当地で自主トレを続け、渡米は2月中旬を予定。可能ならそれまでにブルペンにも入り状態を上げていく。

 「楽しみと不安は半分半分。分からないことも多い。不安を消せるようガムシャラに、必死にやるだけ」。一歩ずつ前へ進んだ先に、あの男が待つ。しっかりとローテーションを守り、ヤ軍エースの座を確立した田中にぶつかる。その時こそ本当の夢舞台となる。 (後藤 茂樹)

 ▽前田と田中の投げ合い 公式戦以外では13年に2度投げ合っている。最初は第3回WBC代表候補合宿での広島との強化試合(2月17日、サンマリン宮崎)では広島の先発で登板した前田は2回無失点。侍ジャパンの先発・田中はWBC球の対応に苦しみ2回2失点だった。2度目は、7月20日の球宴第1戦(札幌ドーム)。全セ先発の前田はオール直球で2回1失点。全パ先発の田中は最速155キロを記録し、スプリットなど変化球も駆使して2回をパーフェクトに封じ、敢闘賞を手にした。

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2016年1月23日のニュース