「ミスターロッテ」有藤氏の思い受け継ぎ「有賀藤(ありがとう)」

[ 2016年1月23日 08:34 ]

「有賀藤」の店長・有藤英世さん

 オーナーは「ミスターロッテ」だ。本拠地・QVCマリンフィールドの最寄り駅である海浜幕張駅前に、通算2057安打を記録した有藤通世氏(スポニチ本紙評論家)のお好み焼き店「有賀藤(ありがとう)」がある。20年以上続く知る人ぞ知る店。ロッテの「あるあるネタ」を集めた本「千葉ロッテマリーンズあるある」(鈴木長月著、TOブックス)にも「有藤さんのお好み焼き屋“有賀藤”にも一度くらいは行っとかなきゃ、と思う」という「ロッテファンあるある」が載っている。

 店長は有藤氏の長男・英世さん。「特にデーゲームのときは試合後にファンの方が来てくれる。負けたときも“やけ酒”したりね」と笑顔を見せる。10年に日本一に輝いたときは30%オフの優勝価格で営業し、長蛇の列ができたという。英世さんも中学まで野球をしていたが、父からの「おまえは無理だ。辞めておけ」という助言で野球はきっぱり諦めた。「今思うと辞めて正解だった。(店で)人と話すのが好きなんで」と、カウンターでお好み焼きを焼きながら話していた。

 店名は言うまでもなく「有藤」をもじったものだが、「(父から)“ありがとうという感謝の気持ちを忘れるな”というのはよく言われていた」。驚くのは有藤通世氏の夫人・由香さんの著書「土佐のいごっそう有藤通世 母に贈る2000本安打」が店内に置かれ、希望者は持ち帰れること。さらに、レジの脇には有藤氏の直筆サイン入り野球カードが「お土産」として置いてある。店に足を運んでくれるロッテファンに対する「ありがとう」の表れだ。

 前述の「土佐のいごっそう―」を読むと、有藤通世氏の母は八重子さん、生まれたのは午前8時、背番号は8。8に縁がある。そして今季、球団の生え抜き選手では85年の有藤氏以来となる2000安打を狙うのが40歳の福浦だ。積み重ねた安打は通算1912安打で、残り「88」というのも8に運命を感じる。(記者コラム・渡辺 剛太)

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2016年1月23日のニュース