人を楽しませたい…「隠しマイク大賞」田辺監督 試合での演出にも注目

[ 2016年1月21日 08:25 ]

2015年の隠しマイク大賞に輝き、富士山をバックにトロフィーを掲げる田辺監督

 西武・田辺監督が昨年末、「スポニチ隠しマイク大賞」を受賞した。監督、コーチ、選手、球界関係者の面白発言を掲載する本紙コーナー「隠しマイク」。田辺監督の登場回数は1年間で46回。1位だった中畑前DeNA監督の55回に次ぐハイペースだった。ダジャレを連発し、「レベルの高いものを目指してきた。必ず隠しマイク大賞を獲得できると思う」と宣言した通り、第7代目王者に輝いた。

 90年代の西武黄金期を支えた名遊撃手で、「寡黙ないぶし銀」のイメージが強い。現役時代しか取材したことのない記者は、ダジャレを言うキャラだと知って「本当にあの田辺さんか?」と驚きの声を上げている。「決して派手ではないが、会話、演出で人を楽しませるのが好き」。現在の田辺監督にはこの表現が、ピッタリだと思う。

 昨年12月13日の隠しマイク大賞授賞式。指揮官が野球教室を行う地元・山梨県富士吉田市を、トロフィーを持って訪ねた。富士山をバックに野球教室終了後に写真を撮りたいと願い出ると、「夕方になると富士山が雲に隠れて見えなくなるかもしれない。今すぐやろう」とわざわざ指導をストップ。「高台に富士山の絶景ポイントがあるから」と、友人の車に記者とカメラマンを乗せ、中学校のグラウンドを出発した。

 約10分ほど移動すると、多くの観光客が訪れる絶景ポイントに到着。こちらの気が済むまで、何通りものポーズで撮影に応じてもらった。そして帰りの車中で、受賞の感想を取材。指揮官が予想した通り、野球教室が終わる午後4時頃には、深い雲で富士山は覆われて見えなくなっていた。「高校まで18年間、ここで暮らしていた勘が働いたよ。先に撮影しておいて良かったな」と、嬉しそうだった。

 今季のチームスローガンは「BEAST! 強く、猛々しく。」に決まった。発表会では、スローガンが書かれたボードに猛獣のように噛みつこうとするポーズを見せ、フラッシュを浴びた田辺監督。グラウンドではいかなる「演出」で魅せてくれるのか。8年ぶりのリーグ制覇を期待したい。(記者コラム・神田 佑)

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