楽天育成2年目の大坂谷 支配下登録へ“師匠”藤田と濃密な時間

[ 2016年1月18日 23:59 ]

ノックを受ける大阪谷(左)を見守る藤田(右)

 楽天の2年目、育成の大坂谷啓生内野手(23)が濃密な時間を過ごしている。

 今年から藤田、福山、岡島が京都で行っている合同自主トレに初参加。18日に報道陣に公開された練習では先輩たちの技術を盗もうと、懸命に背中を追いかけていた。

 きっかけは昨夏だった。藤田が故障のため、2軍調整中の時、思い切って声をかけた。「自主トレを一緒にお願いしてもいいですか」。それまで球場で顔を合わせれば、あいさつをして一言、二言、言葉を交わす程度。球界を代表する名手に勇気を振り絞った。先輩からは「いいよ。頑張ろうな」と嬉しい返事が返ってきた。

 「基本から教えていただけて見たり、聞いたり、すごく勉強になる」

 打撃練習では藤田、岡島のスイングを真後ろで見ながら素振りやティー打撃を行い、守備練習では藤田と並んでノックを受ける。捕球し損ねると「頼むでしかし」「もっと柔らかく」と時に厳しく、時に優しく声が飛ぶ。

 弘前学院聖愛では内野の経験があるが、青森中央学院大では外野手。出場機会を増やそうと、プロでは内野手としてスタートを切った。1年目の昨季は「初めてプロの世界を経験し、守れないと試合に出られない」と実感した。そんな大坂谷にとって、藤田は最高の生きた教材。「野球技術もそうだが、取り組み方など普段の生活も一流選手」と全てが勉強になっている。

 この日は、丸刈り頭でグラウンドに登場。報道陣への公開があるため、先輩たちから「顔を売ってなんぼ」と勧められ、朝からバリカンで剃ったという。長さは6ミリ。「藤田さんの背番号6に合わせました」とリスペクトを忘れない。

 藤田はノックの際に使用する通常のグラブよりポケットの浅い特注の「板グラブ」を大坂谷の分も注文。さらに、自主トレ費用もサポートしている。「志願して参加した。上手くなって欲しい気持ちもあるし、チーム全体で切磋琢磨しないと上に行けない」と後輩の成長を願っている。

 「今年、2桁(背番号を)取れなかったら終わりという気持ちで精一杯やる」と大坂谷。京都で培った全てを2年目の今季にぶつける。

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2016年1月18日のニュース