東都1、2部統合 今春は再編見送り 反論根強く時間切れ

[ 2016年1月15日 05:30 ]

連盟加盟チームの監督らが出席して行われた東都大学野球連盟・臨時運営協議員会

 東都大学野球連盟は14日、都内で臨時運営評議員会と臨時理事会を行い、昨秋から協議されてきた1部6校、2部6校の現行リーグを統合する案について、今春は導入を見送ることを決めた。

 3、4部も含めて今春は従来通りの方式とし、4月5日に開会式を実施。統合については継続審議する。本郷茂理事長は「4月からまとまってやるのは困難であるという結論に達した。運営に関しては改革していきたい」と話し、秋の導入については未定とした。

 今回の問題の端緒は、一昨年まで2部が使用してきた神宮第2球場が安全面の理由で使用できなくなったことにある。主要球場を失った2部は昨年、各校グラウンドでホームアンドビジター形式で開催。一方で、優先利用できる球場の確保を目指して加盟校の監督らが奔走したが、事態は進まず、2部救済のため1、2部を統合して12チームとし、神宮球場で開催する案が浮上した。

 統合案が明るみに出た昨夏の時点では監督会が全会一致し、議決機関の理事会に上申して今春からの導入が決定的とみられていた。しかし十分な議論がなされていないなど反発も多く、その後の2度の理事会でも決着は付かず。春の導入には時間切れとなった形だ。

 午後6時に始まった臨時運営評議員会には加盟21校から部長、監督、OB、主務ら79人が出席。駒大の太田誠OB会長は「良き伝統を崩しちゃいけない。器(球場)は1つしかない。(下部に)落ちちゃいかんという中でエネルギーを蓄えてきたんだ」と、常に降格の緊張感を抱えて切磋琢磨(せっさたくま)してきた「戦国東都」について熱弁を振るった。その後の臨時理事会が終わったのは11時近く。議事は約5時間に及んだ。

 鍵は球場問題の解消。神宮第2への再交渉や大田スタジアムや西武プリンスドームなど他球場の使用も含め、運営方法を検討していく方針だ。

 ▽東都大学野球リーグ 東京にある大学の硬式野球部が所属する4部制のリーグ。1931年(昭6)に日大、国学院大、専大、中大、東農大の五大学野球連盟として発足。36年の東京商科大(現一橋大)の加盟に伴い改称した。加盟校増加で40年から2部制、51年から3部制に。64年に7校(準加盟校を含む)の脱退があり、現在の21校となって4部制を導入した。1~3部が各6校、4部が3校の構成。最多優勝回数は専大の32度。各リーグ戦の終了後、上位リーグの最下位校と下位リーグの優勝校による入れ替え戦を実施する。

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