由伸監督 新人いじらない スカウト、編成を信頼しまず長所見る

[ 2016年1月9日 05:30 ]

井端コーチ(左)と笑顔で自主トレを見守る高橋監督

 巨人の新人合同自主トレが8日、川崎市のジャイアンツ球場でスタートし、高橋由伸監督(40)がいきなり視察に訪れた。巨人の指揮官が初日に足を運ぶのは異例。ドラフト1位・桜井俊貴投手(22=立命大)らに熱視線を送り、まずは個性を尊重する由伸流育成法を打ち出した。また、阪神の新人合同自主トレも鳴尾浜球場で始まり、こちらも金本知憲監督(47)が視察。2人のルーキー監督が精力的に動いた。

 新人合同自主トレ初日は例年以上の緊張感に包まれた。午前9時半の練習開始時間に合わせ、高橋監督が川崎市のジャイアンツ球場に到着。村田ヘッドコーチ以下、首脳陣も集結し、育成を含む15選手を見守った。

 「初日を見たかった。私自身も今年から練習をしなくていいから、時間もあるので来ました」

 冗談を交えながらのコメントにも、行動には熱がこもった。ランニングやハードルなどアップから選手の動きをチェック。キャッチボールでは即戦力と期待されるドラフト1位・桜井らのボールに見入った。本塁後ろで行ったティー打撃では、自らも外野から三塁側ベンチ前まで移動。「若々しいというか元気に動いていて頼もしく、安心しました」とうなずいた。

 約3時間視察した後、コーチ陣との意見交換では、今後の育成方針も伝えた。「内田コーチとも話をしましたが“やってきたものをそのままやらせてみましょう”と」。打ち出したのは、個性の尊重。チームのスカウト陣が年間を通して追いかけ、編成部門が自信を持って獲得した選手だけに、それぞれに長所がある。まずはじっくりとそこを見ていく。短所の改善はその後だ。

 内田打撃コーチが「まだ紅白戦もオープン戦もやっていないのに、直しちゃ駄目。まずは持っているパフォーマンスを出してもらいたい」と話したように、直接指導が可能になる春季キャンプに入っても、しばらくは手を加えない。多少の助言はしても、大きな修正までは踏み込まない。今のままでプロの世界に飛び込むことで、より現状を把握できる利点もある。

 軽快な動きを披露した桜井は「(高橋監督は)どこにいるか、すぐに分かるオーラを感じました。開幕1軍(を目標)でやっていきます」といきなりの視察に胸を高鳴らせた。26日まで続く新人合同自主トレ。監督元年を若々しくスタートさせた高橋監督は「(今後も)来る日もあると思います」と予告した。 (川手 達矢)

 ▽巨人監督による最近の新人合同自主トレ視察 原前監督は初日の視察こそないが昨年は1月16日、菅野が入団した13年も1月16日に足を運んでいる。それ以前は、08~10年は担当スタッフに任せていたが、沢村入団年の11年には4年ぶりに視察。00年以降では長嶋監督、堀内監督時代は新人合同自主トレに指揮官が姿を見せることはなかった。

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2016年1月9日のニュース