元慶大監督 前田祐吉氏死去「早慶6連戦」指揮

[ 2016年1月9日 05:30 ]

全日本大学野球選手権で優勝し胴上げされる慶大の前田監督(87年6月撮影)

 東京六大学野球の慶大で監督を務めた前田祐吉(まえだ・ゆうきち)氏が7日午後、肺炎のため川崎市高津区の病院で死去した。85歳。通夜は15日午後6時から、葬儀・告別式は16日午前9時半からいずれも東京都品川区西五反田5の32の20、桐ケ谷斎場=(電)03(3491)0213=で。喪主は長男章(あきら)氏。

 高知出身の前田氏は高知・城東中(現高知追手前高)で投手として活躍し、慶大へ進学。社会人野球を経て60年に慶大監督に就任し、同年秋には「早慶6連戦」を指揮した。

 65年に退任するまでに春秋合わせて3度優勝し、82年に再び監督に就いてから93年に退くまでに5度リーグ制覇。85年秋は57年ぶりの無敗優勝も達成し、全日本大学選手権では63年と87年にチームを頂点に導いた。

 早慶6連戦で早大を率いた石井連蔵氏は昨年9月に83歳で死去。伝説の一戦を戦った両監督が相次いでこの世を去った。

 ▼巨人高橋監督(慶大OB)直接、指導を受けたことはないですが、話をさせていただいたこともあります。慶応に「enjoy baseball」を掲げて指導をされた。自主性を重んじていた監督と聞いています。

 ▼巨人堤辰佳GM(88年、慶大では前田監督の下で主将)細かい技術指導より選手の個性を大切にし、細かい気配りも欠かさない温かい方でした。

 ▼JR西日本後藤寿彦総監督(前田氏の後任として94年から01年春まで慶大監督)常にアイデアをたくさん出されて、米国野球を見本として取り入れていた。野球界、慶応にとって大きな星が逝かれて大変惜しい思いです。

 ▼慶大大久保秀昭監督(91年、前田監督の下で主将として春秋リーグ戦連覇)本当に温厚で物知りな良いお父さんでした。私に一番影響を与えてくれた憧れの指導者。前田野球は残っているので継承していきたい。

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2016年1月9日のニュース