王さん 早実・清宮と初対面 体格に驚いた「昔の僕とでは大人と子供」

[ 2016年1月8日 05:30 ]

改装されたグラウンドで練習を行う早実・清宮

 早実の新旧怪物が初対面を果たした。昨夏の甲子園で4強入りした早実(西東京)の練習場「王貞治記念グラウンド」(東京都八王子市)の人工芝工事竣工(しゅんこう)式が7日に行われ、OBの王貞治氏(75=ソフトバンク球団会長)が出席。同校のスーパー1年生、清宮幸太郎内野手(16)に激励とエールを送った。通算868本塁打の「世界」の王氏は清宮のずばぬけた体格、スター性に圧倒され、木製バットでも十分にスラッガーとして飛躍できると太鼓判を押した。

 意外にもこれが初対面だった。竣工式を前に、王氏は早実ナインを激励。自身の後継者でもある清宮を見つけると、「大きいねぇ。(球場が新しくなって)良かったな、頑張れよ」と声を掛けた。清宮は昨夏甲子園の開会式直後に始球式を務めた王氏の姿をスタンドから見て「オーラがあって格好良かった」と心酔していたが、その偉大なるOBが目の前に。決して物おじしない1年生も緊張を隠せなかった。

 式を終え、王氏は「彼とは初めて会ったけど、本当に立派な体をしている。1週間見なかったら体つきが変わってしまう年代。昔の僕とでは大人と子供だよ」と目尻を下げた。ナインはグラウンドが昨年11月に改修工事に入った後、学校内で階段ダッシュを取り入れるなどして調整。年末には千葉県鴨川市で1週間のキャンプを行った。1メートル84、97キロの体形は昨秋から変わらないという清宮だが「限られた環境の中、全員でウエートトレーニングで基礎体力を上げようと話した。おかげで打球の伸び方が変わりました」と手応え。初めて計測したスイングスピードも138キロだったという。高校生で平均107キロ、大学・社会人で135~143キロといわれるだけに超一流の証だ。

 さらに王氏は最大の長所として体の柔軟性を挙げた。「打者は投手に対して常に受け身。だからどんな球にも対応できるように、打撃に一番求められるのが柔らかさ」とし、将来に太鼓判を押した。「その話はまだ早過ぎるよ」と前置きした上で、プロや20年東京五輪においても「これから木製のバットになっても、飛躍することがうかがえる」とした。体格同様に天性のスター性にも言及。「いい場面で結果をうまく出せるのは、自分でつくるものじゃなく、生まれ持ってのもの。英語でいうボーン(Born)だよ」と話した。

 早実は昨秋都大会の2回戦敗退で、今春のセンバツ出場は絶望的。それでも夏がある。清宮は、生まれ変わった球場に「凄いですね」と喜び勇んでチーム新年初練習に参加した。清宮が目指していく2年夏の甲子園でノーヒットノーラン(2回戦・対寝屋川、延長11回)を達成している王氏は「今までやってきたことは間違いではないし、2年生になったら練習の質を高めるだけ」と熱烈エールを送った。 (東山 貴実)

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