ラミ監督もう指名 開幕投手は昨季3勝山口「伝えてある」

[ 2016年1月5日 05:30 ]

社員らと笑顔で「ビクトリー!」ポーズを決めるラミレス監督

 新春サプライズ連発だ。DeNAのアレックス・ラミレス新監督(41)が4日、横浜市内で行われた球団の仕事始めに出席し、今季開幕戦となる3月25日の広島戦(マツダ)で山口俊投手(28)を先発に起用することを公表した。昨季わずか3勝に終わった山口にとって開幕投手はプロ11年目で自身初となる。サプライズ公表は開幕投手にとどまらず、私生活でも再婚、さらに愛息に障がいがあることなども初めて告白した。

 横浜市内の球団事務所で行われた仕事始め。球団カラーの鮮やかなブルーのネクタイを締めたラミレス新監督は開幕投手について尋ねられると、一瞬の躊躇(ちゅうちょ)もなく口を開いた。

 「山口を開幕戦の投手にしようと考えている。すでに(本人には)伝えてある。エースになり得る器を持った選手。今年10~15勝してもらえるだけの能力はある。成功するシーズンを送るために、山口には“キー”になってもらう」

 通算111セーブを誇る山口は、14年6月に守護神から先発に配置転換され、同年8勝を挙げた。しかし、昨季は4月25日の中日戦(横浜)で挙げた3勝目を最後に白星から遠ざかり、2軍降格も味わった。先発投手としては実績に乏しい28歳右腕を異例の抜てき。指揮官は「去年、誰も10勝できていない先発陣の中で、どうやって優勝できるのかと思うかもしれないが、“ビッグインパクト”を与えたい」と、その意図を説明した。

 山口は今季から選手会長に就任。不本意だった昨季の雪辱を誓い、奄美大島での昨秋キャンプでは、ブルペンで215球を投げ込むなど猛アピールしていた。そんな姿はラミレス監督に頼もしく映った。12、13年に現役選手としてDeNAに在籍した当時から山口の潜在能力を高く評価していたことに加え、「秋季キャンプで彼がより一層成長している姿を見ることができた。彼自身もそういったポジションを望んでいることが分かった」と初の開幕投手を託すことを即断したという。

 16年シーズンのチームスローガンもこの日、「WE PLAY TO WIN」(“勝利”のために共に戦う)と発表された。これは、ラミレス監督が「勝利にこだわり一戦、一戦を戦い抜く」という強い決意のもとに自ら考えた言葉だ。「良い試合をすることで満足するのではなく、最後は勝たなくてはいけない。勝つこと以外で、もう私たちは満足できない」。昨季はヤクルトが76勝で前年の最下位からリーグ制覇した。DeNAは62勝で最下位。チームの再建を託されたラミレス監督も就任1年目での「下克上V」に向け、今季の目標勝利数を自身の背番号と同じ「80勝」と設定した。その1勝目を山口に託す。(中村 文香)

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