松坂、沈黙破った「今は60メートル遠投」「1月中にブルペン」

[ 2016年1月5日 06:32 ]

ソフトバンクの松坂

 昨年8月に右肩の内視鏡手術を受けたソフトバンクの松坂大輔投手(35)が4日、本紙の取材に応じ、現状と今後の見通しを語った。手術から5カ月がたち、60メートルの遠投を行うまでに回復。今月中にブルペン投球を再開させる意向を明かした。大リーグから昨年9年ぶりに国内復帰を果たしたが、1軍登板はできなかった。日米通算164勝を誇る右腕は米国内で自主トレを続け、復活への土台を築く。

 昨年8月の手術から5カ月。長い沈黙を守っていた松坂が口を開いた。ここまでのリハビリ経過に一定の自信が芽生えている様子が、その穏やかな口調から読み取れた。

 松坂「今は60メートルの距離で遠投をやっています。力は6~7割程度。もちろん状態の良い日もあれば、悪い日もあるけど、投げた後も(手術前のような)嫌な感覚はありません。(執刀医には)自分の感覚でやっていいと言われているので、距離、球数など強弱をつけながら投げています」

 術後3カ月が経過した昨年11月中旬に米国から一時帰国し、執刀医からスローイング再開の許可を得た。そこから間隔を空けながら、じっくりと距離と強度の段階を踏んできた。昨年、スローイング後に残った違和感は、現時点では消えている。復帰に向けた第1段階はクリアしたといえる。

 今月は米国内の温暖な地でじっくりとリハビリと体づくりを行う。「去年は一度も投げられなかったので、僕にはオフはありません」と元日からランニングを行うなど、午前、午後と時間をつくってトレーニングに励む。トレーナーや練習パートナーはいるものの、選手は松坂ただ一人。「単身トレ」で復活へ向けた下地をつくっている。

 松坂「1月中にはブルペンに入りたいと思います。焦ってやるつもりはありませんが、しっかりとキャンプを迎えられるようにしたい」

 順調にいけば、今月20日前後にブルペン投球を再開する。手術時には実戦復帰まで約6カ月を要するとの見通しが出た。順調に階段を上がることができれば、3月のオープン戦には間に合う。

 先発は昨年10勝を挙げたスタンリッジが退団(ロッテに移籍)したが、代わりに松坂と同世代の和田が古巣に復帰した。昨年一度も1軍のマウンドに立てなかった右腕にとって、日米通算164勝の実績があっても、一からの競争になる。武田、バンデンハーク、摂津、中田、和田の5人は、順調であれば開幕ローテーションが確実だ。そこに割って入るためには、オープン戦などの実戦で結果が求められる。

 松坂「1月末にいい形で福岡に戻れるように。2月のキャンプでは工藤監督に少しでも安心してもらえるようにしないといけない」

 06年の西武時代以来、10年ぶりとなる日本の1軍マウンドへ。1月末に福岡入りして自主トレで最終調整を行い、戦える態勢を整える。(倉橋 憲史)

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2016年1月5日のニュース