第2の柳田、山田を探せ!16年に飛躍が期待される若手野手

[ 2016年1月3日 07:30 ]

(左から)ソフトバンク・上林、巨人・岡本、日本ハム・浅間

 セ・リーグでは山田哲人(ヤクルト)、パ・リーグでは柳田悠岐(ソフトバンク)がともに「3割、30本、30盗塁」のトリプルスリーを達成して話題となった2015年。

 この2人の活躍の陰で、若き才能のある打者が1軍デビューを果たし、その大器の片鱗を見せた。今やチームの看板選手となった山田、柳田に続く存在として、2016年に大きな飛躍が予想される3人の若手選手を紹介しよう。(年数は2016年に迎えるもの)

◎上林誠知(ソフトバンク・3年目・外野手)

 仙台育英高時代は4番打者として、2年夏から3季連続で甲子園に出場。高い打撃センスで注目を集めた。3年夏の甲子園後には、松井裕樹(桐光学園高→楽天)、森友哉(大阪桐蔭高→西武)らとともに18Uワールドカップの日本代表に選ばれた。2013年秋のドラフト会議ではソフトバンクから4位で指名される。

 プロ1年目は、高校時代の外野手から内野手にコンバートされ、主にサードとしてプレー。2軍ではわずか9試合の出場に終わるが、3軍戦で86試合に出場して打率.286と試合経験を重ねた。

 2年目の2015年は外野手登録に戻った。2軍で序盤から結果を残すと、5月21日のオリックス戦に代打で1軍初出場を果たす。8月に再び1軍に登録されると、25日のロッテ戦では6回にプロ初本塁打となる逆転満塁弾を放つ活躍を見せた。

 レギュラーシーズンでは15試合に出場して打率.318、2本塁打。少ないながらも出場機会を得て、結果を残した。一方、2軍では打率.343、106安打、16盗塁とウエスタンリーグの首位打者、最多安打、盗塁王とタイトルを獲得している。選手層が厚いチームではあるが、レギュラー奪取なるか?

◎淺間大基(日本ハム・2年目・外野手)

 横浜高時代は1年生から高濱祐仁(日本ハム)とともに主力として活躍。走攻守三拍子揃ったプレーで2度の甲子園出場を果たし、18Uアジア野球選手権日本代表にも選ばれた。

 2014年秋のドラフト会議では、高校生ナンバーワン外野手として評価を受け、日本ハムから3位指名。1年目は春先から2軍で3割を超える打率を残すと、5月に陽岱鋼のケガによって1軍昇格。5日の楽天戦に「2番・センター」でプロ初出場し、その試合で初安打初盗塁をマークする。さらに翌6日の試合では、プロ初打点を記録して、その能力の高さを遺憾なく発揮した。

 9月に再昇格し、23日のソフトバンク戦では延長11回に右中間へ球団史上最年少となるサヨナラ打を放つ。高卒新人のサヨナラ打は、1986年の清原和博(西武)以来だった。

 1年目のシーズンは46試合に出場して打率.285と、まずまずの成績を残した。日本ハムの背番号26と言えば、かつて糸井嘉男(現オリックス)、西川遥輝がつけた「出世番号」。淺間もその流れに続けるか、それとも2年目のジンクスにはまってしまうか……。

◎岡本和真(巨人・2年目・内野手)

 智辯学園高時代は3年春のセンバツで、1試合2本塁打を放ち一躍注目を集めた。夏も甲子園に出場し、前出の淺間と同様に18Uアジア野球選手権日本代表に入り、4番打者を務めた。

 高校通算73本塁打を放ったその長打力に巨人が目を付け、同年秋のドラフト会議で1位指名。背番号は長嶋茂雄氏、原辰徳氏の現役時代の背番号を合わせた「38」となった。

 1年目は序盤からケガで出遅れるアクシデントに見舞われたものの、6月29日の大学日本代表対NPB選抜の試合では「7番・サード」でスタメン出場。そして、8月28日のヤクルト戦で1軍デビューを果たすと、9月5日のDeNA戦では、プロ初安打を本塁打で飾るという華々しい結果を残した。

 シーズン終盤には村田修一の負傷もあって、スタメンで出場の機会が増加。シーズン終了後には、台湾ウインターリーグのNPB選抜に参加し、中軸を任されて20打点で打点王を獲得した。攻守ともにプロのスピードになれるまで時間がかかるかもしれない、という評価を覆す成長を見せた。

 松井秀喜氏以来となる、巨人の高卒生え抜きスラッガーとして、大いに期待が掛かる。(『週刊野球太郎』編集部)

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2016年1月3日のニュース