大谷 二刀流キャリアハイで導く 16勝&11本塁打で日本一に

[ 2016年1月2日 05:30 ]

「日本一」と書き初めをする大谷

 二刀流4年目を迎えた日本ハム・大谷翔平投手(21)は、日本一とともに、投打でキャリアハイとなる「16勝&11本塁打」に目標を定めた。このオフは球団OBのレンジャーズ・ダルビッシュ有投手(29)ともトレーニングを積み、心身ともに充実。自己最速を1キロ更新する163キロ到達への自信、そして2年連続開幕投手への強い思いも見せた。

 4年目の誓い。大谷は、迷わず「日本一」としたためた。「そこは変わらない。(プロ3年間で)やっていないですし」。チームを優勝に導いてこその二刀流だと分かっている。こうも続けた。「具体的な数字の目標は決めていないが、やっぱり一番良い数字は残したい。(過去の成績を)超えていきたいという気持ちはある」。狙うは投打ともに自己最高成績だ。

 大きな刺激も受けた。昨年12月1日。都内のジムにレンジャーズのダルビッシュ、中田、そして大谷がいた。初めての合同トレーニング。「(ダルビッシュは)いろいろと試してきて良いこと、悪いこともあったと言っていた。その中で取捨選択して、より良いものを取り入れていく。それは参考になった」。技術的な助言はなく、メーンはコンディションづくりについて。それは出場機会が制限される二刀流にとって克服すべきテーマだ。

 「(コンディションづくりを学んだことで)失敗したとしても、対処が早くなる。取り組み自体も正しい方向性でいけると思うし(アドバイスは)凄くありがたい」。先輩の言葉を胸に刻んだ。

 プロ2年目の14年に、メジャーでもベーブ・ルースしか達成していない「2桁勝利(11勝)&2桁本塁打(10発)」を達成。3年目の昨季は、投手としては自己最多15勝、防御率2・24、勝率・750で3冠に輝いた。一方で、「打者・大谷」は軒並み成績を落とした。果たして投打でベストの成績を残せる体調だったのか。この「失敗」は、必ず今年への糧になる。自己最高成績となるターゲットは「16勝&11本塁打」。16勝はダルビッシュが4年目にマークした勝ち星でもある。

 昨年11月の「プレミア12」では最優秀防御率(0・00)とベストナインを獲得し、メジャーのスカウトからの評価もさらに高まった。自己最速を1キロ更新するプロ野球記録の163キロ到達について「特に設定しなくてもある程度いけるという感じは持っている」と自信を見せ、球団ではダルビッシュ以来の2年連続の開幕投手に向けても「やれるならやりたい思いはある」とうなずいた。

 どこまで成長を続けるのか。「今後、僕がどんな方向性になっていくかは自分でも分からない。だから、いちいち喜んだりとかはできない」。謙虚に、愚直に、打者に、そして投手に立ち向かう。その先に「優勝」の二文字が見えてくる。 (柳原 直之)

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2016年1月2日のニュース