G阿部父の助言で野手転向 中大・泉沢 社会人でプロの土台を

[ 2015年12月28日 11:20 ]

卒業後は明治安田生命でプレーする中大・泉沢

 今秋の東都大学野球1部4年生の進路が決まった。2年春に投手から打者に転向し、4年春にはベストナインを受賞した中大・泉沢涼太外野手(22)は、社会人野球の明治安田生命に進む。中学時代に所属した「浦安シニア」の先輩にあたる中大OBの巨人・阿部慎之助内野手(36)の背中を追い、2年後のプロ入りを目指す。

 4年前の夏の甲子園。習志野のエースだった泉沢は、最速144キロの直球を武器にチームの8強入りに貢献した。中大でも1年春からベンチ入り。順風満帆な野球人生となるはずだった。だが、思うように投げられない。リーグ戦で登板機会がないまま1年が過ぎた。2月の宮崎キャンプでOBから助言された。

 「打者で勝負してみたらどうだ?」

 背中を押してくれたのは巨人・阿部の父・東司さんだった。泉沢は「気持ちと体がかみ合わなかった。試合に出るために、野手転向を決断した」。3年春にリーグ戦デビュー、4年春には2本塁打を放ちベストナインを受賞した。「野球が楽しくなった」と輝きを取り戻した。

 ドラフト候補にも挙がったが、プロ志望届は提出しなかった。「今年の都市対抗を見に行ったら、応援が凄かった。あの舞台で野球がやりたい」と明治安田生命でプレーすることを決めた。阿部からは東司さんを通じて激励のメッセージが届けられた。「2年後に即戦力でプロに行けるようにしたい」と、右の大砲は新たなステージに向かう。 (川島 毅洋)

 ◆泉沢 涼太(いずみさわ・りょうた)1993年(平5)7月12日、千葉県生まれの22歳。小4から野球を始め、浦安中では「浦安シニア」に所属し3年時に関東大会出場。習志野では2年秋からエースとなり3年夏に甲子園8強。中大では3年春にリーグ戦デビュー。4年春にベストナイン受賞。通算44試合で3本塁打。1メートル84、84キロ。右投げ右打ち。

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