金本監督“横着”許さん!西岡に鬼指令20盗塁ノルマ「すぐ疲れるし」

[ 2015年12月27日 08:08 ]

西岡(左)と金本監督

 スピードを求めると言うなら、20盗塁してみろ! 阪神の金本知憲監督(47)が26日、昨オフから「スピード」をテーマに掲げている西岡剛内野手(31)に対し、ノルマを掲げて発奮を促した。これまでの西岡の考えを伝え聞くと、「最低20盗塁できる足に戻れるのか?それなら使いたいでしょ」と期待を寄せた。

 奮起に期待しているからこそ、その言葉は厳しくなる。昨オフから減量に取り組むなど「スピード」をテーマに掲げていた西岡。それを伝え聞いた指揮官は、おもむろに口を開いた。

 「(スピードを)戻せるんだったらいいよ。最低20盗塁できる足に戻れるのか? それなら使いたいでしょ」

 ノルマは20盗塁―。クリアできれば「有言実行」と見なそう。阪神3年間の盗塁数が11、0、1では一見、高いハードルのように思えるが、決してそうではない。

 ロッテ時代の05年に41盗塁など、2度の盗塁王に輝いた「スピードスター」の全盛期は、指揮官も知っている。もちろん10年前に比べ、肉体の衰えは否めない。それでも「スピード」をテーマに掲げているのなら、自己ベストの半分は走ってもらいたい。いや、できるはず。そう思うから「20盗塁」をノルマに掲げたに違いない。

 「(盗塁数が減った理由は)横着よ、すべて横着。足が止まったら、どんどん走れなくなる。すぐ、疲れるしね。本人も認めとるんやから」

 あえて厳しい言葉を選び、檄も飛ばした。来季の西岡と同じ32歳シーズンで打率・315、30本塁打、30盗塁の「トリプルスリー」を達成し、その翌年も19盗塁を記録した指揮官だからこそ、言える言葉だろう。西岡も死に物狂いで練習すれば―。その背中を押す算段も整えている。

 「(走塁は)練習させていくけど、最後は本人がやるかどうか。こっちはある程度、サポートしてあげるけど。それでも出来ないならこれはもう仕方ない。勉強と一緒。塾に行かせたり、家庭教師を付けたり。それでも頑張らなかったら、どうしようもない。いくらサポートしてあげてもね」

 指揮官は以前から「走塁とかはうまい。立派。言うことがない」と西岡の野球センスに一目を置いている。チームの起爆剤となりうる存在。だから「『今年は違います』と言っているから期待している」と発奮を促す。秋季キャンプで練習メニューに「盗塁・走塁」を加えるなど、機動力重視の金本阪神。「スピードスター」が復活すれば、働き場所は必ずある。(惟任 貴信)

 ≪今季は7人到達≫今季、両リーグで20盗塁以上をマークしたのは、トリプルスリーを達成した山田(ヤ)、柳田(ソ)を含む7人。最年長は32歳の片岡(巨)で、来季32歳を迎える西岡にとっても高いハードルとなりそう。阪神で「32歳シーズン以上で20盗塁」は、赤星が33歳シーズンの09年に31盗塁したのが最後だ。

 ≪金本監督の指令≫

 ▼新球を習得しろ 秋季キャンプに参加した投手に対し要求。特に左投手には「攻めていく気持ちがほしい」という考えから、左打者の内角をえぐるシュート習得が命じられた。

 ▼上本、大和も強く振れ 「練習から強く振らないと試合では絶対に強く振れない。選手の体つきで方向性は決めない。(体が)小さくて振れないんだから、逆方向(へ打て)というのは違うと思う」。

 ▼鳥谷に本塁打量産指令 鳥谷が12月4日の契約更改の席で、指揮官から指令を受けていたことを明かす。

 ▼藤浪に19勝しろ 12月9日、ラジオ番組に生出演した藤浪に対して音声メッセージ。「お前の背番号じゃなく、19勝しなさい。大黒柱になってな。期待しています」

 ▼岩崎に先発3番手狙え 「独特なストレートを持っているので期待したい。完全な4番手、3番手に行くぐらいの気持ちでやってもらわないと困る」。打者目線から「高めを磨け」とアドバイス。

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