黒田41歳で現役最高年俸6億円「カープだから意味がある」

[ 2015年12月18日 05:30 ]

年棒6億円+出来高で契約し会見する黒田

 広島の黒田博樹投手(40)が17日、マツダスタジアムで契約更改交渉に臨み、2億円増、現役では最高年俸となる年俸6億円プラス出来高払いでサインした。歴代では3位タイで球団史上最高額となった。大リーグから8年ぶりに復帰し、11勝をマーク。来季も現役続行を決めたベテラン右腕に対し、球団側は成績だけではなく、観客動員やグッズ収入など経営面の貢献度も評価した。プロ20年目を迎える来季は残り7勝の日米通算200勝達成を目指す。

 メジャー時代に年俸で20億円近くもらったことがあっても、驚きを隠せなかった。2億円増の年俸6億円。現役では既に契約更改を終えたオリックス・金子の5億円を軽々と超え、日本球界トップに躍り出た。黒田は笑みを交えて言った。

 「想像以上の評価をしてもらった。成績だけでなく、いろんな部分でチームにとってプラスになったと言ってもらった」。歴代でも3位タイ。40代では史上最高年俸となり「(来年2月に)41歳になって、それくらいの契約をしてもらえるのは、他の球団の選手たちにも多少勇気を与えられるんじゃないか…と思います」と感慨に浸った。

 広島は親会社を持たない独立採算型で、赤字経営が許されない。前回在籍時は07年の2億5000万円が最高だった。「前回いた時のカープでは考えられないような契約。カープだから意味がある」と黒田。ここ数年、「カープ女子」などで広島人気は急上昇。8年ぶりに古巣に復帰した今季は、主催試合の観客動員数が211万266人を記録し、球団史上初めて200万人を突破した。

 メジャーの高額年俸を選ばず「男気」で戻った40歳右腕の人気はすさまじく、交渉した鈴木清明球団本部長は「社会現象のようなことが起きたし、彼に関するグッズも想像を絶するほど売れた。球団の経営に大きく貢献してくれた部分も考慮した」と説明。ポスティングシステムで大リーグ移籍を目指す前田健の譲渡金を前提としたものでもない。鈴木本部長は「マエケン(前田健)が(来季も広島に)残っても出せる金額」と話した。

 復帰1年目の今季は11勝8敗。シーズン終盤は中4日での登板もいとわず、前田健とともに先発陣の柱として存在感を示した。シーズン終了後は去就を明言せず、球団に現役続行を伝えたのは今月8日だった。悩んだ末の決断について「ファンの方や、いろんな方々に“まだやれる”と言ってもらった。そういう声に応えるのもプロ。モチベーションを探すということは、自分の中でどこかに“もう1年やりたい、やらないといけない”という気持ちがあったんだと思います」と語った。

 来季はプロ20年目を迎える。日米通算200勝まで残り7勝。「実際、それにあまり思いがなかったので、引退が頭をよぎったと思う。ただ、やる以上は一つでも多く勝たないといけないし、一つのモチベーションになる」と言い切った。

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2015年12月18日のニュース