新井 背番「25」で2000安打!黒田の200勝とW達成でV貢献を

[ 2015年12月17日 05:30 ]

かつての自らのパネルを横にポーズを取る新井

 広島・新井貴浩内野手(38)は16日、マツダスタジアム内で交渉し、今季年俸2000万円から3倍増となる年俸6000万円(推定)で契約更改した。来季からの背番号「25」への復帰も発表され、残り29本に迫る2000安打を球団から熱望された。僚友・黒田が残り7勝に迫る日米通算200勝とのダブル達成を通過点に25年ぶり優勝を最大の目標に掲げた。

 新井が見つめる視線の先には常に頂点があった。「黒田さんが200勝を達成し、僕も2000安打を打って、そして優勝できたら最高です」。数値目標はない。「打てるだけ打つこと」と言い切った。個人的な大記録をチームの結果に結びつけることが最大にして唯一の目標だった。

 8年ぶりに古巣復帰した今季を「想像もできないことがたくさん起きた1年」と振り返った。FA移籍の経緯から覚悟した周囲の冷たい反応ではなく、大声援で故郷は迎えてくれた。恩に報いるには結果しかない。「優勝してファンの方に喜んでいただく。その思い一つです」と誓った。

 背番号は「25」へ戻る。入団から阪神に所属した昨年まで16年間も背負い続けた番号だ。

 「最初はお断りしましたけど、球団の方から“また25を付けて2000本を打ってほしい”と言ってもらった。そこまで言って頂けるなら、また付けさせてもらおうと思いました」

 125試合の出場で打率・275、7本塁打、57打点。年俸大幅増の理由は得点圏打率・311に表れる勝負強さだけではない。「彼と黒田は単なる1年間の成績ではなく、チームに与える好影響を考慮して査定した」。鈴木球団本部長は数字以上の存在感を認めた。

 5月には左手中指脱臼の影響で先発を外れる日が続いた。「手術すると固定してトレーニングができなくなる。痛みはないので、そのままやります」。笑って隠した悲壮な決意はまだ見ぬ優勝へ向いた。来年勝ち取れば25年ぶり。くしくも背負う数字とも重なった。「ケガする一歩手前くらいまで追い込んでやっています」。野球人生をかけて悲願へ挑む覚悟だ。 (桜井 克也)

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2015年12月17日のニュース