陽岱鋼 巨人にトレード!?台湾で変な噂「一番気になっていた」

[ 2015年12月16日 05:30 ]

2度目の契約更改でサインした日本ハム・陽岱鋼

 日本ハム・陽岱鋼(ヨウ・ダイカン)外野手(28)が15日、札幌市内の球団事務所で今オフ2度目の契約交渉を行い、前回提示と同じ4000万円ダウンの年俸1億6000万円ながら、出来高払いの条件をプラスされてサインした。保留した1回目交渉後には台湾で「巨人移籍」の噂も飛び交ったが、そんな臆測情報の誤解も解け、来季は「トリプルスリー」を目指す。

 会見のテーブルに着く直前、陽岱鋼はスーツの上着を脱いだ。その表情は晴れやかだった。

 「しばらく台湾に戻っていたので、日本語が下手ですみません。契約が終わったのでスッキリしている。出来高をつけてもらったことで目標が見えてきた。内容をクリアしたら母国・台湾で恵まれない子や野球少年のチャリティーに使いたい」

 1回目の交渉だった2日、今季年俸2億円から4000万円減となる1億6000万円の提示を保留。「こんなに下がることを想定していなかった」と伝えたかったが、「下がることを想定していなかった」と発言し、大きな波紋を呼んだ。

 今季は5月4日の楽天戦(札幌ドーム)で一塁にヘッドスライディングした際に左手親指付近を骨折し、昨季の打率・293、25本塁打から打率・259、7本塁打と下げた。「僕も今年の成績を見て、下がるのは想定していた。自分で内容を理解してサインしたかった」と、所属するマネジメント会社と相談した上で納得してサインした。

 それでも、台湾に一時帰国した5日に参加したイベントでは地元メディアが過熱した。「変な噂があった。いきなり、巨人みたいなことを言われた」。契約を保留したことからトレードされる可能性を推測して「巨人移籍」と報じた日本の一部メディアの記事が、台湾まで飛び火した。

 そんな誤解も、この日の交渉ですべて解決。球団関係者は「根も葉もない話」と一笑し、陽岱鋼も「球団から“そんなことはない”と聞けてよかった。これが一番気になっていた」と胸をなで下ろした。来季目標は全143試合出場と、今年の新語・流行語年間大賞となった「トリプルスリー」。台湾から野球留学した福岡第一時代から02年に西武で打率・332、36本塁打、33盗塁をマークした松井稼頭央に憧れていた。「トリプルスリーって格好いいよね」。12年以来4年ぶりのV奪回へ、陽岱鋼の活躍は欠かせない。 (横市 勇)

 ≪今オフ保留者わずかに2人≫今オフはここまで、1度目の交渉で契約を保留したのは陽岱鋼と中日・平田のわずか2人。昨季の9人から大幅に減った。平田の保留は2年連続で、年俸4700万円から増額となる7500万円程度を提示されたもようだが、「(金額が変わらなければ)サインしません。年を越してもいい」と話した。

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2015年12月16日のニュース