マー君 来春は初の自炊キャンプ まい夫人来年2月出産予定で不在

[ 2015年12月11日 05:35 ]

手術後初の公開練習でキャッチボールする田中

 ヤンキースの田中将大投手(27)が10日、古巣・楽天の本拠・コボスタ宮城の室内練習場で10月の右肘骨片除去手術後、初めて練習を公開した。術後の回復は順調で、2年連続の開幕投手に照準を合わせた。まい夫人(31)が第1子出産を来年2月上旬に控えており、春季キャンプはプロ10年目で初めての自炊キャンプとなることを告白。田中家とヤ軍の大黒柱として、メジャー3年目へ意欲を燃やした。

 隠そうともしなかった。最高気温9度の仙台でも、半袖のTシャツ姿。元気いっぱいの田中は「傷痕を撮りたいんですか?どうぞ、どうぞ」と言って、右肘周辺に残る手術痕をカメラマンに突き出した。順調な回復を実感しているからこそ、全てをさらけだした。

 「こうやってキャッチボールも少しずつですけれど、始められるようになってきている。順調に今のところは来てると思います」。米国で10月20日に右肘の骨片を除去する手術を受け、リハビリを行ってきた。日本時間の4日に、身重のまい夫人と帰国。帰国後に始め、3度目となったこの日のキャッチボールでは約20メートルの距離で50球を投げた。右肘の感触を確かめるように軽めだったが、球団の指示通りに強度を上げていく。手術前と比べ「違う感じ方をしている部分はある」と患部への不安がなくなり、スッキリした表情を見せた。

 その手応えが2年連続開幕投手への意欲につながる。来年4月4日(日本時間5日)、本拠のヤンキースタジアムでアストロズと対戦する開幕戦。「もちろん、そこに合わせてやっていく」。今季、ワイルドカードゲームでポストシーズン初登板し、5回2失点で黒星を喫したア軍。「最後に悔しい思いをした相手だけど、特に」と話したが、絶好の雪辱の舞台になる。

 来季はプロ10年目、第1子が誕生する節目の年だ。「初めてのことなのでどうなるか想像つかないが楽しみ。感じる部分はある」。来年2月19日(同20日)に米フロリダ州タンパでバッテリー組のキャンプが始まる。直前の同月上旬にまい夫人が出産予定。過去2年とは違い、単身でのキャンプインだが「一人暮らしをしたこともあるし、なるようになるんじゃないですか。(料理は)できないわけじゃないので大丈夫」と自信ありだ。ジュニア・アスリート・フードマイスターの資格を持つ愛妻が食事面を支えてくれたが、出産に専念させたい。独身時代には同僚で登板前日だった楽天・長谷部に、エネルギーとなる炭水化物の摂取を目的にパスタを振る舞ったこともある。意外な料理上手ぶりで単身&自炊キャンプを乗り切る。

 メジャー移籍後は13勝、12勝と2年連続2桁勝利を挙げたが故障に見舞われ、シーズンを通して働いてはいない。「満足する成績は何一つなかった。一番はシーズンを戦い抜くこと」。真価の問われる3年目へ、ヤンキースのエースはそう誓った。 (春川 英樹)

 ▼田中の今季のワイルドカードゲーム 10月6日にヤンキースタジアムでのアストロズ戦に先発。2回にラスマス、4回にC・ゴメスにいずれもソロを浴び、5回4安打2失点で敗戦投手になった。「こういう展開にしてしまったのは全て僕の責任」。今季のサイ・ヤング賞を獲得したア軍左腕カイケルは6回3安打無失点だった。

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