阪神 呉昇桓との交渉打ち切りも…賭博容疑、在宅起訴の可能性大

[ 2015年12月10日 05:30 ]

検察から事情聴取を受け、容疑の一部を認めたと地元メディアが報じた呉昇桓

 阪神の四藤慶一郎球団社長(55)は9日、韓国内でマカオでの違法賭博、暴力団関係者との関与が疑われている呉昇桓投手(33)が起訴された場合、その時点で交渉を打ち切る方針を示した。この日、韓国メディアは呉昇桓がソウル中央地検から被疑者の身分で事情聴取を受け、違法賭博容疑の一部を認めたと一斉報道。阪神にも呉昇桓サイドから一報が入った。今後、在宅起訴となる可能性が高く、その場合は倫理上はもちろん、チーム編成上の時間的制約などから交渉を打ち切る方針だ。

 阪神に“悲報”が舞い込んだ。呉昇桓が検察の事情聴取を受け、違法賭博、暴力団との関与に関する容疑の一部を認めたと韓国メディアが一斉に報道。現時点で罪状は確定していないが、先に取り調べを受けた林昌勇とともに、在宅起訴となる可能性が高いという。

 球団にも呉昇桓の代理人から「取り調べを受けた」と一報が入った。四藤球団社長は「それ以上は何も」と話すにとどめたが、起訴された場合の対応については、厳格な姿勢で臨む考えを示した。

 「(今後、呉昇桓サイドから一部容疑を認めたという報告が入ったり、検察の判断で起訴となった場合は)そういう(交渉打ち切りの)必要があると思います。刑が確定していないとしても、こちらの(時間的な)都合もある。リスクを負うことはできない。そう(起訴の場合は交渉打ち切りの方針)と思っている」

 暴力団関係者の関与うんぬんに関わらず、起訴なら交渉打ち切り―。守護神の残留を構想していた阪神にとっては苦渋の選択となるが、倫理上、やむをえない。同容疑で先に取り調べを受けた林昌勇もすでにサムスンの保留選手名簿から外れ、事実上の解雇となった。日本野球機構(NPB)関係者も「もちろんKBO(韓国プロ野球)が失格処分等を下せば、NPBでもプレーできなくなる。(有罪判決でも日本でのプレーは)可能ではあるが、阪神がプロ野球選手としてふさわしいかどうか判断することで現実的には考えづらいのではないか」との見解を示した。

 チーム編成上の時間的制約もある。仮に起訴されて裁判となれば、問題の長期化は避けられず、来季戦力として計算できなくなるため、どこかで見切りを付け、新守護神獲得に舵を切る必要がある。その判断基準が「起訴」となるわけだ。

 9日の現地報道を総合すると呉昇桓は午前7時に出頭し約5時間の聴取を受けた。その中で「容疑のいくつかを認めた」(京郷新聞)、「『マカオのカジノに行ったのは事実だが、単なる観光次元だった。常習賭博ではない』と述べた」(イーデイリー)など容疑の一部を認めたとされる。また今後についても「検察は呉昇桓と林昌勇のギャンブル額が拘束令状請求の基準に及ばないため一括在宅起訴する案を検討することが分かった」(ヘラルド経済)との見通しが立てられた。報道内容から推し量れば、呉昇桓残留の可能性は極めて低いと言わざるをえない。

 「(代役候補の)調査はもう始めています。いつでも動けるようにはします」と四藤球団社長。もはや、最悪の事態は避けられそうにない。

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