日本生命・藤井 ベストナイン表彰式で史上初の誓い「来年も2冠」

[ 2015年12月10日 05:30 ]

頼りになるエースだ!投手部門のベストナインに輝いた日本生命・藤井(右)がミス日本の芳賀千里さんに「右腕」を触られる

 2015年度社会人野球表彰(主催・日本野球連盟、共催・スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社、協賛・シチズン時計)の授賞式が9日、東京都千代田区のKKRホテル東京で行われた。ベストナインには、史上3チーム目となる都市対抗、日本選手権の2冠を達成した日本生命から藤井貴之投手(27)ら最多タイの6人が選出。藤井は史上初となる2年連続の2冠を目標に掲げ、さらなる飛躍を誓った。

【選考結果】

 表情には充実感が漂っていた。1966年から続く伝統の社会人野球ベストナイン。藤井は初めて手にしたベストナインの記念盾を大事そうに抱えた。都市対抗の橋戸賞に続く栄誉。「出来すぎ。全てを出し切った。“凄いことをやったんだな”と、あらためて思う。感謝の気持ちを忘れずに精進したい」と話した。

 大卒5年目の右腕は都市対抗で救援として3試合に登板し、2勝をマーク。大阪ガスと延長14回、4時間43分の死闘となった決勝での投球が高い評価を受けた。5回途中から9回2/3、155球の超ロングリリーフ。最後まで投げ抜き、逆転勝利をもたらした。「今までは自分が投げたいと思ってばかりだったが、この1年はとにかくチームが勝つことを第一に考えてきた結果」。日本選手権でも先発、救援でフル回転して3試合で2勝、防御率0・00。常に全力で取り組んできた練習では「メリハリをつけられるようになり、故障しなかったことも大きかった」と言う。97年を最後に優勝から遠ざかっていた名門を18年ぶりの頂点に導き、「日本選手権も勝てて、本当にうれしかった」と笑顔を見せた。

 名門復活。来年は都市対抗、日本選手権の連覇に注目が集まる。橋戸賞、ベストナインの肩書が加わった27歳は現状に満足することなく、力強く誓った。「来年も2冠に貢献したい。目の前の試合をしっかり投げていって、結果としてまた賞も獲れたら。今年以上を目指す」。再び頂点へ。その中心には藤井がいる。(松井 いつき)

 ◆藤井 貴之(ふじい・たかゆき)1988年(昭63)5月29日、大阪府生まれの27歳。小2から「キングシャイアンス」で野球を始め、小6から投手。天理2年の春夏、3年夏に甲子園出場。巨人・小林は同大、日本生命で1年後輩。今夏都市対抗で橋戸賞受賞。1メートル85、86キロ。

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