阪神、ポスト呉昇桓に160キロ右腕クレト、ヒースらを候補に

[ 2015年12月9日 06:30 ]

広島のヒース

 阪神が、違法賭博や暴力団関係者との関与が疑われる呉昇桓投手(33)との再契約断念に備え、水面下で新外国人調査を進めていることが分かった。すでに8日までに最速160キロ超右腕のマイケル・クレト投手(26=ホワイトソックス傘下3A)ら複数の候補をリストアップ。また、スタンバイ要員として前広島のデュアンテ・ヒース投手(30)にも興味を示していることが明らかになった。

 阪神は来季も守護神候補として残留交渉を進めてきた呉昇桓の一連の疑惑を受けて危機管理に着手した。すでに韓国国内で報道されているような暴力団関係者との金銭問題が事実であれば、野球協約違反となり、再契約断念は避けられない。呉昇桓の代理人から陳謝の連絡があった8日も球団事務所内で善後策を協議した四藤慶一郎球団社長は「備えとして別の手だてを考えていかないといけない」と話した。

 当面は事態の推移を見守る一方、新ストッパー候補の調査を本格的に進める方針。別の球団幹部は「呉昇桓を断念する場合に備えて準備しておく必要がある。新しい先発を獲るのか、後釜(抑え投手)を獲るのか…。どちらかと言えば、後釜を獲ることになると思う」と方向性を明かした。

 かねて呉昇桓がメジャー志向を強めていたことからシーズン中から流出に備えて複数候補の調査は進めていた。ただ、時間の経過とともに当初最上位に位置づけていた候補選手はすでに来季所属先が決定した模様。残ったリストの中から再精査し、あらためて「ポスト呉昇桓」を絞り込む作業が始まった。

 目下その最有力候補と目されるのはクレトだ。1メートル90、113キロの恵まれた体格から最速160キロ超の剛球を投げ下ろす本格派右腕。ドミニカ共和国出身で、今季、ホワイトソックス傘下3Aで31試合登板3勝2敗、5セーブ、防御率3・00。51イニングで61奪三振を記録したパワーピッチャーだ。メジャー通算は41試合0勝1敗、防御率6・60ながら、45イニングで58奪三振。以前から実力に注目して抑え候補に挙げていた。

 また、マーリンズのエリック・コルディエ投手(29)も有力候補の一人だ。今季はメジャー8試合登板、0勝0敗、防御率5・84と振るわなかったが、こちらも最速160キロ超を誇る1メートル93、98キロの長身右腕。クレトと並んで3Aクラスでは屈指の剛球投手で、抑え適性も備える。

 さらに先発、中継ぎの両方で起用可能な待機要員も調査中で、前広島のヒースにも興味を示している。日本通算50試合で6勝6敗、4セーブ、防御率2・36という実績と最速154キロの球威を評価。年俸も今季推定9000万円より低く抑えることができるため、スタンバイ要員には最適だ。守護神不在という最悪の事態を回避すべく、着々と準備を進めていた。

 ◆マイケル・クレト 1989年5月1日生まれ、ドミニカ共和国出身の26歳。06年にアマチュアFAでメッツと契約し、11年6月2日にカージナルスでメジャーデビュー。14年からホワイトソックスでプレー。。メジャー通算41試合0勝1敗、防御率6・60。1メートル90、113キロ。右投げ右打ち。

 ◆デュアンテ・ヒース 1985年8月8日生まれ、米ジョージア州出身の30歳。06年ドラフト19巡目でブレーブスから指名。10年にホワイトソックスへ移籍し、12年9月1日にメジャーデビュー。14年7月に広島入りし、今季限りで退団。日本通算50試合6勝6敗4セーブ、防御率2・36。1メートル93、109キロ。右投げ右打ち。

 ◆エリック・コルディエ 1986年2月25日生まれ、米ウィスコンシン州出身の29歳。04年ドラフト2巡目(全体63番目)でロイヤルズから指名。14年9月3日にジャイアンツでメジャーデビュー。今季はマーリンズで8試合に救援登板。メジャー通算15試合0勝0敗、防御率4・42。1メートル93、98キロ。右投げ右打ち。

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