姿変える本拠地に危機感…楽天・藤田が抱く克服への3カ条

[ 2015年12月4日 10:10 ]

ファン感謝祭を盛り上げた楽天・藤田

 打球を捕ってから投げるまでが早い。無駄な動きが少ない。華麗にして堅実。楽天・藤田一也の二塁守備を初めて見たのは、チームが日本一となった13年だった。同年から2年連続でゴールデングラブ賞を受賞。記者も票を入れた一人だ。誰もが認める名手。来季へ向けて新たなイメージを思い描きつつ、一方で危機感も抱いている。

 「来年からグラウンドが天然芝になる。それに慣れないとゴールデングラブは難しいかもしれないけれど…。天然芝に変わってすぐ獲れたら、価値があると思う」

 本拠地・コボスタ宮城は来季から天然芝の球場へと姿を変える。どう対応すればいいか。藤田は11月下旬、広島の内野手・梵と話をする機会を得た。マツダスタジアムも天然芝。その球場で10年にゴールデングラブ賞に輝いた遊撃手から、様々なアドバイスを受けた。

 (1)いかに集中力を持続させるか――。

 藤田は梵から「天然芝だと1試合、より集中して守らなければならない。その分、気持ち的にも疲れが出る」と言われた。打球がどう転がり、跳ねるか。常に神経を張り詰めていなければならない。そんな精神的プレッシャーが疲労に変われば、ミスにもつながる…、というわけだ。

 (2)グラウンドキーパーとの関係を密に――。

 天然芝では土の部分と芝の切れ目が盛り上がり、イレギュラーしやすくなるという。それだけでなく芝の長さ、状態…。「グラウンドの癖を見分けることが大事になると思う」。そのためには整備担当者との連係をこまめに取り、情報を共有することが大切になる。

 (3)ハンドリングの練習を繰り返すべし――。

 「人工芝だとバウンドが読めるんです」と藤田。これが天然芝となると一変する。不規則に跳ねたり、直前でバウンドが変わったり…。予測不能な打球の転がりに対応するためには、よりいっそう「捕球」の正確さが求められる。「練習でどんどん、数を受けていくしかない」と、反復練習こそが最善の策だ。

 本職は二塁手の藤田だが、今季は21試合で三塁を守った。来季に関してはすでに梨田新監督と話し合い、「二塁以外は守らない」との方針を伝えられているという。「(芝の張り替えで)来年はオープン戦もできないだろうし、ぶっつけ本番になる。でも、ホームグラウンドですから」。天然芝克服への3カ条を胸に、藤田が緑の芝生の上を華麗に舞う。 (鈴木 勝巳)

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2015年12月4日のニュース