マエケン メジャー挑戦直訴!球団側は来週末にも“可否”判断

[ 2015年11月25日 05:30 ]

ベストナインに選ばれ、会見する広島・前田。この日、球団に米大リーグ移籍希望を伝えた

 広島・前田健太投手(27)が24日、ポスティングシステムによる今オフのメジャー挑戦希望をあらためて申し入れた。広島市南区の球団事務所で、鈴木清明球団本部長(61)と約1時間にわたって会談。終了後「気持ちを伝えた。思いは年々強くなっている」と語った。球団は移籍の容認可否を慎重に判断するが、同本部長は来週末にも方向性を示す意向を明らかにした。

 侍ジャパンのエースとして奮闘した国際大会「プレミア12」の閉幕から3日目。前田健は球団事務所を訪ね、鈴木球団本部長にメジャー移籍希望を再び申し入れた。

 「大リーグに挑戦したい自分の気持ちを伝えました。(面談は)プレミア12が終わって…ということだったので、すぐに時間をつくってもらい、凄く感謝しています」

 WBCで初めて日の丸を背負った13年。オフの契約更改交渉の席で「野球人生は1回しかない。絶対に後悔したくない」と、将来的なメジャー挑戦希望を表明した。だが、5年ぶりにタイトルなしに終わった昨季は「送り出す機運にない」(球団首脳)として、移籍が容認されなかった。

 「年齢も1つずつ取っていく。できれば若い時に…とか、カープで優勝したい…などのさまざまな思いがある中で、行きたい気持ちは消えるよりも、年々強くなっている」

 募る夢舞台への思い。「今年はそれなりの成績が残せた。そこは去年と違う」と言う通り、15勝(8敗)を挙げた今季はともに自身2度目の沢村賞、最多勝を獲得。この日発表のベストナインは2年ぶりに受賞し、チームの勝利に一定の貢献を果たした。満を持して…の申し入れだった。

 「全員が挑戦できるわけじゃないし、可能性があるなら行ってみたい。多くの日本人選手が移籍し、思うような成績が残せていない。だからこそ行ってみたい」

 日本で屈指の投手成績を誇っていた和田(ソフトバンク)や藤川(阪神)はメジャーで結果を出せず、再び日本でのプレーを選んだ。ダルビッシュ(レンジャーズ)や田中(ヤンキース)も故障との闘いを強いられた。壁は高いからこそ、乗り越える意欲が湧く。海外フリーエージェント権取得は最短でも17年で、待つことはできない。

 プレミア12ではヤンキース、ダイヤモンドバックスなどメジャー15球団が視察。球団が移籍を容認すれば、争奪戦になる可能性は高い。「今だったら手を挙げてくれる球団はあると思う」。鈴木球団本部長は「本人の思いを聞き、球団の考え方も伝えた」とした上で、「来週末ぐらいには方向性を(出せればいい)」と語った。3年越しの申し入れを受け、球団が12月上旬に出す答えが注目される。(江尾 卓也)

 ▽ポスティングシステム 所属球団が容認すれば、海外フリーエージェント権を持たない選手でも大リーグ移籍が可能となる制度。従来の入札制度は98年12月に発効。13年12月に日米間で新システムに合意した。それまでは最高入札額の1球団が独占交渉権を得ていたが、新システムでは日本の球団が応札希望額を設定し、この額に応じた全ての米球団に交渉権が与えられる。設定額の上限は2000万ドル(約24億6000万円)。選手と契約がまとまった場合、米球団はその額を日本の球団に支払う。交渉期間は30日間。交渉が決裂、あるいは設定額で獲得を求める大リーグ球団がなければ、選手は残留する。

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