早くも来年のドラフト戦線が熱い!“大谷世代”目玉は創価大・田中

[ 2015年11月25日 09:00 ]

来年のドラフトの目玉となる創価大・田中

 明治神宮大会が終わり、アマチュア野球もしばしのオフシーズンとなるが、早くも来年のドラフト戦線が熱気を帯び始めている。とにかく近年まれに見る大豊作。下級生の頃から経験を積んだ選手が多く、スカウト含め多くの人の目に止まったのも豊作たるゆえんだと思う。

 まず注目すべきは大学生。94年生まれの彼らは大谷(日本ハム)、藤浪(阪神)の世代にあたる。中でも2年生から150キロ台を連発し、大学日本代表のエースに成長した156キロ右腕の創価大・田中正義は目玉中の目玉。速球以上に、角度のある直球で三振を積み上げるドクターKだ。国内だけでなく海外からも熱視線が注がれている。「野茂を越えるのでは」と野茂英雄に史上最多8球団が競合した89年を思い起こすスカウトもいる一方で「補強ポイントによっては田中の競合を避ける球団が出て分散するのでは」との見方もある。

 確かに即戦力投手で見ると、東海大の「完全男」右腕・丸山(東邦)や現在は右肘治療中ながら今春全日本選手権で絶大なインパクトを残した155キロ右腕の生田目(水戸工)、153キロ右腕の慶大・加藤(慶応)、明大・柳(横浜)、立大・沢田(大阪桐蔭)の両エース右腕、亜大の左腕・諏訪(下妻二)と枚挙にいとまがない。ほかにも日本代表左腕の神奈川大・浜口(三養基)、桜美林大のスリークオーター右腕・佐々木(都日野)や桐蔭横浜大の左腕・高橋(前橋育英)、道都大・黒川(館山総合)らにも注目だ。

 野手では特に遊撃手に上位候補が多い。スカウト陣から特に高評価を得ているのが日大・京田(青森山田)。1メートル80の長身で高いセンスを誇る。中大・松田(国学院久我山)や早大・石井(作新学院)も名門で下級生からレギュラー遊撃手として活躍。日本代表候補にもなった中京学院大・吉川(中京)や、今秋東都大学リーグで二塁手を務め、首位打者を獲得した亜大・法兼(高知)からも目が離せない。最上級生となる来年の飛躍が楽しみだ。

 高校生では全国的に好投手が揃う。西日本では明治神宮大会で150キロをマークした大阪桐蔭の高山、履正社の左腕・寺島、敦賀気比の長身右腕・山崎、創志学園・高田らが軸となりそうだ。山崎は同大会の決勝・高松商戦で敗れながらも156球を完投。あえて課された試練を越え、一冬をどう越えていくか。花咲徳栄・高橋昂、常総学院・鈴木昭、木更津総合・早川、二松学舎大・大江の左腕4人衆を始め、東海大相模の北村、横浜・藤平、東邦・藤嶋、東海大甲府・菊地、静岡・村木、都城・山本…現段階でこれだけ列挙できる年は珍しい。野手も負けていない。敦賀気比の遊撃手・林中、大阪桐蔭の二遊間・中山や永広、青森山田の4番・三森らが明治神宮大会で目立った。

 実力派揃いの16年ドラフト。来年の今頃、どんな結末が待っているだろうか。(松井いつき)

 ※大学生選手のカッコ内は出身校。

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2015年11月25日のニュース