長嶋さん、ボールに込めた「勝つ 勝つ 勝つ」 由伸監督に手渡し

[ 2015年11月24日 06:06 ]

長嶋終身名誉監督が高橋監督に手渡した「勝つ 勝つ 勝つ」の直筆メッセージ入りボール

巨人・高橋新監督 現役引退・監督就任セレモニー

(11月23日 東京D)
 教え子が新たなスタートを切る晴れ舞台を、ミスターが力強く後押しした。巨人の阿部、内海と、高橋監督の愛娘2人による花束贈呈の後だ。特別ゲストの長嶋茂雄終身名誉監督が紹介された。大きな拍手を浴びながら、グラウンド上の高橋監督のもとへ歩を進めた。そして「来年は大変だろうし忙しいと思うけど、近々また会おうじゃないか」と温かく語りかけた。

 握りしめた左手から、高橋監督に手渡したのはメッセージが記されたボール。直筆で力強く書かれていた言葉は、これ以外にない。「勝つ 勝つ 勝つ」。自身がかつてつけた背番号「3」を添えた。94年、長嶋監督は中日との勝った方が優勝となる「10・8決戦」の試合前にナインを奮い立たせ、第2次政権初の優勝を勝ち取った。球団が監督要請をした10月20日にも「大変だけどもやってみなさい。やりなさい」と背中を押した長嶋氏。リーグV奪回、4年ぶりの日本一に向け、魂のエールだった。

 当初は激励を終えてそのまま球場を引き揚げる予定だった。しかし、直後に高橋監督のあいさつがあると知るや「聞いていこう、聞いていこう」と、通路への階段を2段下りたところから回れ右し、グラウンドへ。新監督のチーム再建の誓いを間近で見届けた。

 「やっぱり監督らしい雰囲気で話をしていた。思い切って来年やると思うよ」

 来季の奮闘を予言し、笑みを浮かべて帰路に就いた。(大林 幹雄)

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