江越スーパーキャッチ連発　打って走って守ってセンター奪取や

３回２死一・二塁、中堅手・江越は緒方の飛球をダイビングキャッチ

阪神紅白戦 紅組３―４白組

（11月15日 安芸）
　阪神の秋季安芸キャンプは１５日、２日ぶりに紅白戦が行われた。守攻走で江越大賀外野手（２２）のプレーが光った。２度のダイビングキャッチ、先制適時打、重盗…。中堅のレギュラー奪取へ猛アピールした。

　江越が飛んだ。２回無死一塁、森越の右中間を抜けようかという当たりをダイビングキャッチ。それだけでは終わらない。３回２死一、二塁、今度は緒方が放った左中間への痛烈なライナー性の打球に逆シングルで飛びついた。右に左にダイブし、観衆の大歓声を一身に浴びて、照れ臭そうにベンチに引き揚げた。

　ビッグプレー２つに首脳陣も絶賛の嵐だ。高代ヘッドコーチは「（動きが）速いねー。どうかなって当たりだけど捕るからね。彼は打撃が課題だけれど守備はいける。そこそこ打てれば（中堅手を）任せられるだけの守備がある」と評価。中村外野守備走塁コーチも「２つ目（のファインプレイ）は点につながる場面。あれをチャレンジして捕ったのは素晴らしい。まだ（来季）２年目とか関係なく上を目指してほしい」と中堅手のレギュラー定着へ期待を込めた。

　さらに今季は２軍担当だった同コーチは「明らかにファームにいたときより（守備に対する）意識が変わってますよ」と“愛弟子”の成長を口にした。江越も「一歩目のスタートを常に意識しているところ。レギュラーをとりたいという気持ちがもちろんあるので、（守備練習に）取り組む気持ちは（これまでと）違うと思います」とレベルアップに心血を注いでいる。

　この日、魅せたのは守備だけではなかった。初回１死一、三塁から先制の中前打。直後の一、三塁では一塁走者として二塁を陥れ、重盗を成功させた。打撃、走塁面でも存在感を示した。それでも打撃には悔いが残った様子だ。「まだまだ。きょうもさされていたので…。すべてのレベルを上げていかないと」と第２打席の見逃し三振、第３打席の空振り三振を猛反省していた。

　今季は思い切りの良いスイングが評価され、５本塁打。ただ好守備にスポットライトが当たることはほとんどなかった。来季こそ入団時の触れ込み通り走攻守そろった外野手として、注目されてやる意気込みだ。（柳澤　元紀）