中田またまたまた“主役打”侍ジャパンサヨナラ全勝通過

[ 2015年11月16日 05:30 ]

<日本・ベネズエラ>9回1死満塁、サヨナラ打の中村(手前)を出迎える中田(左から3人目)ら日本ナイン

プレミア12予選ラウンドB組 日本6―5ベネズエラ

(11月15日 台湾・桃園)
 全勝通過だ。4連勝でB組1位での準々決勝進出を決めていた侍ジャパンは15日、ベネズエラとの予選ラウンド最終戦で逆転サヨナラ勝ちした。9回に松井裕樹投手(20)が逆転されたが、その裏に同点に追いつき、途中出場の中村晃外野手(26)が左前にサヨナラ打を放った。5戦全勝。中田翔内野手(26)も一時逆転の2点二塁打を放ち、計13打点と絶好調だ。16日の準々決勝はA組4位のプエルトリコとの対戦が決まり、前田健太投手(27)が先発する。

 全勝通過を決める中村晃の鋭い打球が狭い三遊間を抜けた。最後は外野手を2人に減らし、内野手5人で守ったベネズエラの執念をねじ伏せた。ネクストサークルで準備していた中田も、途中出場の殊勲者の元に駆け寄る。歓喜の輪は結束の象徴だった。終盤に二転三転した試合を逆転サヨナラで制し、小久保監督は満足そうな表情で予選ラウンドを総括した。

 「スタートから出る選手も後から出る選手も心の準備ができている。みんな同じ目標に進んでいくもの(一体感)ができてきた。いい形で勝負の準々決勝に入れます」

 1点を追う9回、代打で出場した先頭の今宮の右前打や途中出場した中島の犠打でお膳立てし、暴投で同点に追いつく。なお1死満塁から中村晃がサヨナラ打を放った。

 「みんなでつないだチャンス。何とかしたい気持ちと、後ろに調子のいい中田がいると思って楽な気持ちで入れた」

 5戦全勝の立役者は何と言っても中田だ。19打数10安打で打率・526、2本塁打、13打点。過去3戦連続で決勝打をマークし、この試合でも1点を追う8回1死満塁で左越えに一時は逆転となる2点二塁打を放った。直前で左投手のJ・マルティネスが左打者の筒香を敬遠。「(敬遠は)ビックリしたけど気合が入った。今のところ自分でもビックリするくらい状態がいい」と言った。9回に逆転を許しても、消化試合であっても、全員が全力で勝利に向かった。試合前のミーティングで小久保監督が「みんなは目の前のプレーに全力を尽くしてほしい」と話した言葉を実践した。

 2点を追う4回無死一、二塁で嶋が送りバントを失敗し、9回には松井裕が救援に失敗した。それでもミスを全員でカバーする粘り腰、勝利への執念、チームとしての一体感は試合を経て強固になった。「一発勝負に向けて、やろうと思っていたことは全部できた」。16日の準々決勝への準備は完了した。

 相手はプエルトリコに決まった。強化試合では2連勝した相手だ。中田は「勝負はこれから。全て忘れて、あすからの戦いに集中したい」と言った。指揮官の表情も一層引き締まった。

 「強化試合で戦っているということは、いい材料。でも、ここからはやるか、やられるか。自信を持って戦いたい」

 準決勝、決勝の舞台は東京ドーム。勝って日本に戻る。(倉橋 憲史)

 ≪上位4チーム決勝T≫A、B組各6チームが総当たりで予選ラウンドを戦い、それぞれの上位4チームが決勝トーナメントに進出する。なお、同率チームの順位決定方法は(1)直接対決の勝敗、(2)同率チーム同士のTQB(得失点率)などで決定。

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