阪神 高橋聡と初交渉 金本監督の直電ラブコールが決定打

[ 2015年11月15日 05:30 ]

阪神・高野球団本部長(中央)と握手する高橋聡。左は阪神の池之上球団本部課長

 阪神は14日、大阪市内のホテルで中日からフリーエージェント(FA)宣言した高橋聡文投手(32)と入団交渉した。約1時間に及んだ交渉中には金本知憲監督(47)が電話で直接ラブコールを送る場面もあった。高橋聡は「まだ決めていません」としながらも指揮官の言動に感激し複数年契約と見られる球団からの高評価もあって阪神入団の意思を固めた模様。近日中に中日にその旨を伝え、正式に「虎の高橋聡」が誕生する。

 阪神サイドの粋な計らいに、高橋聡は感激を隠せなかった。交渉開始から約20分が過ぎた午後6時22分。高野栄一球団本部長は一度、交渉の席を外して外に出ると携帯電話を取り出し誰かに電話。そのまま、部屋に戻りFA左腕に電話をつないだ。声の主はなんと金本監督。約5分にわたる直々のラブコールで“恋人”を口説き落とした。

 金本監督 体は大丈夫か? 一緒に頑張ろう。

 この一言があれば十分だったに違いない。鳥取での自主トレを一時的に切り上げ、電車で来阪した甲斐があった。交渉後の会見では中日への配慮もあり「まだ決めていません」と何度も強調したが、表情は笑顔だった。

 「とても評価してもらってうれしかったです。(金本監督は)熱い人だと思う。体の調子は良い。(結論を出すまで)できるだけ早くというか、そんなに長くはかからないと思います」

 事実上の入団宣言は、阪神の誠意が届いたと言っていい。交渉が解禁となった12日には交渉役を務める高野球団本部長が日が変わって即ラブコール。その裏には金本監督から「是非獲ってほしい」という要望があった。

 阪神にとって左の中継ぎ投手は今オフの最大の補強ポイント。今季、1軍の戦力としてフル回転したのは52試合に登板した高宮ただ一人。その高宮も来季は35歳シーズンで補強は急務だった。

 入団が正式に決定すれば来季からは高宮との2枚看板が見られるが、実績自体は高橋聡が上回る。2010年には63試合に登板。31ホールド、防御率1・61という働きで、中日のリーグ優勝に大きく貢献した。すべてリリーフで通算401試合に登板し99ホールド。阪神での記念すべき初ホールドが節目の数字となる。

 ◆高橋 聡文(たかはし・あきふみ)1983年(昭58)5月29日生まれ、福井県出身の32歳。高岡第一では2年春に外野手として甲子園出場。01年ドラフト8巡目で中日入り。プロ3年目の1軍初出場からすべて救援登板。05年は5月17日から8月2日にかけて中日の球団記録となる31試合連続無失点。10年は63試合に登板し31ホールド、防御率1.61の好成績でリーグVに貢献。1メートル76、85キロ。左投げ左打ち。

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