巨人ドラ1桜井 圧巻18K!スプリット自賛「野球盤の消える球」

[ 2015年11月14日 05:34 ]

<立命大・東北福祉大>18奪三振完封で勝利投手になった立命大・桜井

明治神宮野球大会第1日・大学の部1回戦 立命大1―0東北福祉大

(11月13日 神宮)
 巨人の「ドラ1」が超ド級のパフォーマンスを見せた。明治神宮大会が開幕し、大学の部1回戦に登場した立命大の桜井俊貴投手(4年)が大会タイ記録の18三振を奪い、東北福祉大を3安打完封。1点を守り抜き、7年ぶり出場のチームを初戦突破に導いた。ドラフト1位で指名した右腕を巨人・高橋由伸監督(40)が視察。入団を心待ちにした。

 桜井は最後の打者を二ゴロに打ち取ると、右の拳を突き上げた。初回1死からの5連続を手始めに、奪いに奪った毎回の18三振。77年に「怪物」江川卓(法大)が記録した17を超え、97年の矢野英司(同)に並ぶ大会タイ記録を樹立した。大学野球の聖地・神宮での初勝利を、快挙とともに1―0の完封で飾った。

 「(江川さんは)偉大な投手なので、超えることができてうれしい。低めに変化球を集めることができたのが三振の数につながったと思う」

 自己最速150キロを誇る直球は144キロ止まりでも、鋭い変化で相手をほんろう。5回無死一、三塁の大ピンチを脱した3者連続三振のうち、2つは得意のチェンジアップで奪った。この日はさらに、スプリットが切れた。昨年のU―21ワールドカップ出場時、指揮を執った阪神・平田2軍監督(現チーフ兼守備走塁コーチ)から「球種を増やせ」と助言され、努力で手のうちに入れた武器。2回の井沢、浅沼への決め球に使い、5者連続に結びつけた。「スプリットが、野球盤の“消える球”のように消えた」と胸を張った。

 屈辱的な敗戦が人生を変えた。北須磨2年秋の練習試合、履正社戦。3回から登板すると、5イニングで計8本塁打を浴びた。スコアは0―24。「まるでバッティングセンターでした」と形容した、涙すら流れない大敗が投球を見直すきっかけになった。力任せだった投球から緩急を生かしたスタイルへ変更。“公立のダルビッシュ”と呼ばれ、現在の基礎を築いた。

 巨人・高橋監督が訪れたことを試合後に知り、「宮崎キャンプで来られないと思っていました」と笑った。あと3つ勝てば、大学日本一を手土産にできる。プロの評価を一気に高めたのは今秋の関西学生リーグ。10月14日の関大戦で延長14回を206球で投げ抜いて勝った。「あの試合で人生が変わった。きょうのは2、3番手ぐらい」。新たな人生ベストが今大会で出そうな雰囲気を、今の桜井は醸し出している。(吉仲 博幸)

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