DeNA筒香 異例ドミニカウインターL参加へ 主軸が自ら志願

[ 2015年11月10日 06:45 ]

台北市内の宿舎に到着した筒香

 初開催の国際大会「プレミア12」で8日の韓国との開幕戦(札幌ドーム)に快勝した侍ジャパンは9日、予選ラウンドB組の残りの試合が行われる台北に移動した。日本代表のクリーンアップを担うDeNA・筒香嘉智外野手(23)が今オフにドミニカ共和国で開催されるウインターリーグに参加することが分かった。日本人の主力選手が同リーグに参加するのは異例だが、筒香自身の強い希望で実現。プレミア12が終了後、異国の地で心身を磨く。

 異例の決断も、現状に満足しない筒香に迷いはなかった。侍ジャパンの主軸を担い、東京ドームで行われる決勝戦まで勝ち進めば21日まで出場する。だが、戦いは終わらない。休息する間もなく1週間後の29日に13000キロ以上キロ離れたドミニカ共和国に旅立つ。海外で実戦経験を積みたい筒香の強い希望をDeNAが了承し、ウインターリーグへの派遣が決まった。

 13年第3回WBCで優勝したドミニカ共和国。同リーグのシーズンは10月から翌年2月まで開催され、現役のメジャーリーガーも参戦するなどレベルは高い。過去にメジャー通算555本塁打のマニー・ラミレス、5年連続打率3割、20本塁打をマークしたロビンソン・カノも参加。日本で活躍した元西武のカブレラも出場している。

 日本人選手は同国と深いパイプを持つ中日が山井、浅尾、吉見、又吉らを派遣しているが、実績がない若手時代に海外で武者修行の意味合いが強かった。だが、筒香は違う。DeNAで不動の4番を務め、今季いずれも自己最高の打率・317、24本塁打、93打点。実績十分で球界を代表する主力打者の参加は極めて珍しい。

 日本で経験できない野球は、23歳と伸び盛りの筒香の今後の野球人生で大きな糧になる。同国のウインターリーグに参戦する選手たちはメジャーリーグでの活躍を夢見る同世代の若手選手が多い。粗削りだが、160キロ近い剛速球を投げる投手は珍しくない。変化球も日本人投手とは違う軌道や回転を体感できる。連日の対戦で対応力が磨かれ、結果を残せば大きな自信につながる。野球だけではない。食事、文化、習慣が違う異国の地での生活は全てが新鮮で貴重な経験になる。

 鹿児島・奄美大島で秋季キャンプを行うラミレス新監督も「潜在能力が飛び抜けている。本塁打40本は打てる」と絶大な信頼を口にする。飽くなき向上心で決断した異国の地での挑戦。来季は心身ともにたくましくなった筒香の姿が見られるに違いない。

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