正義151球で10K完投 8球団スカウトの前で快投

[ 2015年11月5日 05:30 ]

<関東学院大・創価大>関東学院大を2失点で抑え完投した創価大・田中

 第11回関東地区大学野球選手権は4日、横浜スタジアムで2回戦3試合が行われた。創価大は来秋ドラフトの超目玉、最速156キロを誇る田中正義投手(3年)が151球で1失点完投し、関東学院大に競り勝って4強に進出。決勝進出2校に与えられる明治神宮大会(13日開幕、神宮)の出場に王手をかけた。

 151球目。外角低めの148キロを空振りさせた10個目の三振で試合に決着をつけると、田中は一つグラブを叩いた。

 自己最多の球数を要して1点差を逃げ切った勝利。「投げきる意識が弱くて真ん中へ行った球を打たれてしまった。苦しかった」と振り返った。初回先頭の金田に右中間フェンス直撃の三塁打を浴びると、2死一、三塁から吉岡に中前適時打を許し、先に1点を失った。今春の東京新大学リーグ戦から続いていた公式戦無失点記録が50イニングで止まった瞬間だった。

 それでも「いつか点は取られる。ネガティブにならずに投げよう」と切り替えた。152キロを計測するなど直球中心だった初回の組み立てを2回以降は改め、フォークや時には90キロ台のカーブを自在に操って追加点を防いだ。逆転した後の3イニングは1安打に抑えた。

 6月、ユニバーシアードに出場する大学日本代表のエースとしてNPB選抜との壮行試合で7者連続三振を奪い、プロの注目度を一気に高めた。楽天がすでに1位指名を公言するなど、来秋ドラフトでは多くの球団の競合が必至。この日も8球団が視察し、日本ハムの西俊児スカウトは「直球で空振りを取れる。やはり凄い」と評した。

 筋力トレーニングの成果で、体重は夏から3キロ増の90キロ。9月から「投球にも影響するみたいなので」と、かみ合わせを治療するため歯列矯正も始めた。進化が止まらない剛腕は「まずは関東で優勝したい」と照準を定めた。(松井 いつき)

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2015年11月5日のニュース