開幕試合の韓国戦先発に大谷指名 小久保監督「ねじ伏せてくれると」

[ 2015年11月4日 05:30 ]

ファンとハイタッチする大谷

 大谷を開幕に公開指名!日本と台湾で共催される初の国際大会「プレミア12」に出場する侍ジャパンの壮行会が3日、福岡市内のホテルで行われ、小久保裕紀監督(44)は開幕戦となる8日の韓国戦(札幌ドーム)に日本ハム・大谷翔平投手(21)を先発させることを公表した。この日はヤフオクドームで全体練習。大役を任された若き右腕は、慣れ親しんだ本拠地で宿敵・韓国を叩き、世界一奪回への道をスタートさせる。

 大谷は真っすぐ前を見据え、グッと表情を引き締めた。約620人のファンが集まった壮行会で、小久保監督が開幕戦となる8日の韓国戦の先発を公表。「慣れ親しんだマウンドで韓国打線をねじ伏せてくれると信じています」との言葉に会場はどよめき、大きな拍手が21歳を包み込んだ。

 その後、大谷は報道陣に対応。「気持ちを前面に出していきたい。“負けないんだ”という気持ちを持って、みんなで戦っていきたい」と語った。大役を伝えられたのは、CSファーストS敗退後の10月中旬。秋季練習を行っていた千葉・鎌ケ谷で、小久保監督から直々に「(開幕戦を)頭に入れて調整してほしい」と電話を受けた。この時点で覚悟は決まった。

 相手は宿敵・韓国で、WBCでの過去の対戦成績も4勝4敗の互角。両国の意地とプライドがぶつかり合う激しい戦いになるのは、過去の歴史を見ても分かる。大谷も「一番(印象に残っているの)はイチローさんのタイムリー」と、延長10回の激闘の末、2連覇を達成した09年大会の決勝を挙げる。自身も、花巻東時代に出場した12年の18U世界選手権(韓国)で韓国との5位決定戦に先発し、敗戦投手になっている。その悔しさは今も忘れてはいない。

 今回の韓国も強力打線が売りだ。ソフトバンクの李大浩、韓国プロ野球初の2年連続50本塁打以上をマークし、このオフにメジャーに挑戦するネクセンの朴炳鎬(パクビョンホ)を擁する。大谷も「全員知っているわけではないけど、実績のある打者ばかり。誰か一人ではなく、全体として捉えて良い投球をしたい」と警戒を強める。侍ジャパンの村田善則スコアラーが4日に韓国―キューバの強化試合(ソウル)を視察。そのデータもインプットし、大一番に臨む。

 壮行会前に行われた全体練習では、ブルペンで嶋相手に30球。「初戦なので凄く大事。札幌ドームでやれるのは楽しみ。自分の持っているものを100%出して、優勝を目指したい」。世界一へ向けた先陣を切り、中7日を空け、台湾では日本行きをかけた準々決勝の先発を任されることも有力。21歳の若武者に日本の命運が託される。

 ▽大谷の18U世界選手権での韓国戦 12年9月8日の5位決定戦(韓国・木洞)に先発。7回を2安打2失点と力投も打線の援護がなく、0―3で敗れた。初回から153キロを計測して飛ばしたが、2回に先制点を許すと、5回にはボークを取られて2点目を失った。5者連続三振を含む12三振を奪う一方で6四死球。敗戦投手となり「国際大会を経験して、ある程度自分のレベルが分かった」と話した。

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2015年11月4日のニュース